「誰のために身体を売っていると思ってんだよ!」

さらに、つちけん氏の後輩のホストは、こんなトラブルにも見舞われたという。

「後輩ホストの姫(女性客)が立ちんぼだったようで、その子が梅毒に感染したんです。それを知った後輩がどうしてもその姫を抱けずにいたら、立ちんぼの集団に『誰のために身体を売っていると思ってんだよ!』と詰められたそうです」

梅毒といえば現在、爆発的に感染者数が増えている性感染症だ。国立感染症研究所の報告(感染症発生動向調査週報 2024年第24週)によれば、2024年6月10日〜16日の1週間だけで、梅毒の感染者報告数は全国で190例。今年1月からの累積報告数は6,183例だという。

新宿駅東口近くにある泌尿器科「マイシティクリニック」の平澤精一総院長は、昨今の梅毒感染拡大について、次のように解説する。

「当院でも梅毒と性器の周りに尖ったイボができる『尖形コンジローマ』の患者が多く、梅毒は月に新規で5名ほどいらっしゃる状況で再感染例も多く見受けられます。

出会いの形がSNSや(マッチング)アプリなどに変わり、不特定多数の方との関わり合いを持つようになったこともあり、風俗で働いている方だけではなく、いろんなところで感染拡大が広がり、日本性感染症学会では梅毒はパンデミック化しているという見方もあるほど身近な感染症になっています。

梅毒に感染したBさん
梅毒に感染したBさん

女性は20代、男性は20代~30代に特に多いですが、中高年層にも幅広く見られます。これについては、風俗利用など、パートナーではない不特定多数との性行為が大きな要因だと言えます」

いったい、立ちんぼたちは1日に何人の男性客と性交渉をするのだろうか。かつて男性客から梅毒をうつされてしまったことがあるという立ちんぼのBさん(20歳)は、次のように話す。

「そのときは1日6人近く相手して稼いだお金を全部メンズ地下アイドルに使っていました。梅毒に感染したのは去年10月頃ですが誰からうつされたかは、正直わかりません。

でも、デリケートゾーンの痛みが続き、病院でヘルペスと言われたものの治らずに無理して立ちんぼは続けていたら、そのうち手に赤い点々が出てきたので別の病院に行ったところ第2期梅毒だと診断されました」