警察も手を焼くイタチごっこ

警視庁保安課によると、昨年1年間で売春防止法違反(客待ち)の疑いで逮捕されたのは17歳~56歳の女性140人にのぼる。これは一昨年(2022年)に比べると3倍近い数字だ。警察による一斉摘発の甲斐もあり、大久保公園の立ちんぼは一時、壊滅状態にまで追い込まれた。

ところが、集英社オンラインが過去2回にわたり報じたとおり、今年3月ごろからふたたび立ちんぼは増加。彼女たちは警察対策として、私服警官らしき人物には近づかないようにしたり、客待ちする場所を微妙に変えたりと、まさしく”イタチごっこ”のような状況が続いている。

そんななか、警察がとりわけ手を焼いている存在が、大久保公園周辺で客待ちをしている外国人の立ちんぼなのだという。社会部記者はこう語る。

撮影/集英社オンライン
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「日本人とは違い、客待ちをしている外国人のなかには『男娼』(=男性の立ちんぼ)も紛れ込んでいる。彼らは女性を対象とした『売春防止法』の適用外となるため、性別に対象がない『都迷惑防止条例違反』で取り締まられることが多い」

実際に、昨年11月から12月にかけて、大久保公園周辺で客待ちをしたとして逮捕された外国人はフィリピン国籍が2人とタイ国籍が2人だったが、全員男性だった。

逮捕された外国籍の「男娼」4人は、警視庁の調べに対して「歌舞伎町では客待ちの女性もいるので自分もできると思った」「大久保公園では売春類似行為ができると友人に紹介された」などと供述。外国人の立ちんぼを、都迷惑防止条例違反で摘発したのはおよそ3年ぶりとなった。

その一方で、「摘発の影響もあり一時は外国人も少なくなったが、現在は再びコロナ前の全盛期と同じぐらいの賑わいを取り戻しつつある」と語るのは、長年にわたり大久保公園の立ちんぼを取材する歌舞伎町ウォッチャーの仙頭正教氏だ。

「もともと大久保公園に隣接する『ハイジア』(東京都健康プラザハイジア)の裏には多くの外国人が客待ちをしていて、ピークを迎えたのはインバウンド需要が高まった2019年ごろでした。

それからコロナの影響で出入国できなくなり、閑散としていた時期もありましたが、2022年10月に行なわれた水際対策の緩和で、ふたたび外国人は増加。

昨年末には、4人の外国人が逮捕されたこともあり1ヶ月ほどは閑散としていましたが、年明けからまた増えはじめて、現在はコロナ前と同じくらいの盛り上がりを見せています」