現行犯ではなく、立ちんぼを初めて“通常”逮捕。その影響は?

この28歳の女への逮捕容疑は4月11日午後6時30分ごろ、新宿・大久保公園のガードレールに腰かけ、売春目的の客待ちをしたこととしている。

社会部記者はこう解説する。

新宿区立大久保公園(撮影/集英社オンライン)
新宿区立大久保公園(撮影/集英社オンライン)
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「新宿署の捜査員は、女が昨年から計5回以上にわたって客待ちを繰り返し、男性と交渉したり、ホテル街へ向かっていくところを確認している。

そうした客待ち行為は本来であれば、男性とホテルに入ったところを”現行犯“逮捕してきたが、なかには摘発を免れるために友人との待ち合わせを装うなどのケースも少なくなかった。

そこで今回初めて、過去の客待ち行為をもとに逮捕状を取り、23日夕方に大久保公園にて客待ちしている女の身柄を押さえて”通常“逮捕に踏み切った」

集英社オンラインでは、4月6日配信の記事において、警察の取り締まり強化後、“聖地”である大久保公園に立ちんぼたちが戻ってきている様子についてリポートした。

そしてその直後、警視庁は今回初めて立ちんぼに対して、過去の客待ち行為についての逮捕状を取った”通常”逮捕に踏み切った。

同庁の保安課長も「過去の売春事実でも逮捕されることがあると知ってもらえれば」と新たな抑止効果に期待している。

だが、「今回の“通常”逮捕を受けても、立ちんぼたちはまったく懲りていない」と語るのは、東京在住の実話誌ライターの男性だ。

以前と比べて閑散とした大久保公園周辺(撮影/集英社オンライン)
以前と比べて閑散とした大久保公園周辺(撮影/集英社オンライン)

「昨年、取り締まりが厳しくなってからは、彼女たちも二人一組で行動したり、私服警官に警戒したりと対策していた。

そして、今回の一件で立ちんぼたちは逮捕から逃れるため、大久保公園周辺のガードレールではなく、付近の建物の前に立つなどして客待ちの範囲を広げるなど、“新たな一手”に出ている。

一見すると、立ちんぼは減ったように見えますが、全体の人数にほとんど変化はありません」