ダントツで好きだったのはガンズ・アンド・ローゼズ
「すみません、Bro.Hiさまはいらっしゃいますでしょうか?」
東京都内のとある飲食店に電話をかけると、電話越しに返ってきたのは、「はい、私ですが」という丁寧で落ち着いた声だった。
メインボーカルのDiggy-MO’(ディギー・モー)、トラックマスターのShinnosuke(シンノスケ)、そしてヒューマンビートボックスを担当するBro.Hi(ブラザー・ハイ)の3人で結成されたSOUL'd OUTは、「ウェカピポ」や「Dream Drive」など、数々のヒット曲を飛ばした。
そんな人気グループの元メンバー・Bro.Hiが、現在も音楽活動を続けながら、東京・羽村市の和食料理店で板前として腕をふるっているというウワサを聞きつけ、取材を申し込んだのだ。
快く取材を快諾してくれたBro.Hiさんに会うため、彼の経営する料理店のドアを開く。
「初めまして。今日はよろしくお願いします。」
帽子を取り、記者に深々と頭を下げるその姿は、SOUL'd OUT時代と変わらぬBro.Hiそのものであった。
さっそく、グループ結成当時の話から現在の活動までをたっぷりと伺った。
――音楽活動を始めたきっかけはどんなことでしたか?
Bro.Hi(以下、同) 中学生の時、ちょうどバンドブームだったから音楽好きではいたんだよね。ビートたけしの『元気が出るテレビ』でダンスも流行ってたね。
当時は青春パンク、175ライダー系の音楽とかブラックミュージックも聞いていたけど、ダントツで好きだったのは海外のガンズ・アンド・ローゼズ。曲は「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」から入ったかな。
――マイクを握ったきっかけはDiggy-MO’さんとの出会いとのことですが?
二十歳ちょい前、バンドでドラムやってたんだよね。だけどバンドって紆余曲折あるし、なかなか難しかったんだよね。だったらメンバーの多いバンドより、ユニットの方が早いんじゃないか?となって。
じゃあドラムは必要ないな、俺は何をやろう? と考えた時に、DJはまた一からになるしな、と。自然な流れでボーカルになった感じかな。
――Bro.Hiさんといえばヒューマンビートボックスのパフォーマンスにも圧倒されますが、そのスキルはどのように磨かれたのでしょうか?
当時、ネットはあったけど今みたいにユーザーも多くなかったから、少ない情報から探していたかな。あとは、CDを聞いて雲を掴むような気持ちで自己流で勉強してた。ヒューマンビートボックスができると、機材がなくてもある程度ライブが成り立つから便利だよね。できるからやっていたけど、やっぱりやってて楽しいからね。