「両さんのミレニアム婚!!の巻」(ジャンプ・コミックス第120巻収録)

今回は、両さんがうら若き女性警察官・擬宝珠纏(ぎぼし・まとい)との結婚を宣言し、周囲を驚愕の渦に巻き込むお話をお届けする。

纏の初登場は、本作よりも少し前の「江戸っ娘・擬宝珠 纏の巻」「男!根性神輿の巻」(ジャンプ・コミックス第118巻収録)でのこと。

江戸時代末期から続く老舗寿司店・超神田寿司を営む一家の娘だ。江戸の中心地で城下町だった神田に店と居を構える、浅草出身の両さん以上に由緒正しい「江戸っ子」だ。

纏は、器量がよく、性格もいかにも江戸っ子らしい気風のよさ満ちており、最初は江戸っ子を気取る両さんにひと泡吹かせる、「江戸っ子の上位互換」ポジションのキャラクターとして登場した。

だが、署内で暴れて纏の顔に傷をつけた男を叩きのめして謹慎処分を喰らった両さんを、家業のバイトに誘ったことから、その関係性に変化が訪れた。

「両さん板前になる!?の巻 寿司修業編 その①」「擬宝珠家の首領(ドン)登場!?の巻 寿司修業編 その②」「お寿司屋さんの作り方!!の巻 寿司修業編 その③」(ジャンプ・コミックス第119巻収録)を通じて、纏は両さんのことを、荒々しいが頼りになる気持ちの良い異性として意識していったのだろう。

しかし、花も盛りの19歳が、なにを好きこのんでむさ苦しいオッサンと……と周囲が考えるのは無理もない。

なお本作以降、両さんと纏は纏の妹・檸檬(レモン)と蜜柑(みかん)の登場により、次第に擬似親子的なものへと変化していった。そこに見え隠れしていたのは、愛情というよりも家族への情愛だ。

それでは次のページから、全国『こち亀』ファンが驚いた、両さんの結婚騒動にまつわるお話をお楽しみください!!