「お父さんが警察署長やってたほどの人なので…」
登記簿謄本によれば塩原容疑者は、現場近くの19階建てマンションの中層階の約72平方メートルの部屋を新築当時の2018年に購入しており、笠間市内の実家から1人で転居したとみられる。
実家の2階建て住宅は1990年に新築、父母が半分ずつ共有していたが、2016年12月に父親の持ち分全てを母親が相続していた。実家の近くに住む男性がこう証言した。
「事件のニュースを見てすぐ、『あいつだ』と思いましたよ。母親と喧嘩している様子を知っているので。塩原容疑者一家は30年ぐらい前に笠間稲荷神社の近くからここに引っ越してきたんですよ。当時は本人が中学生くらいで、祖父母と父母と弟の6人家族でした。白い犬も飼っていました。
あの一家とは付き合いはなかったけど、容疑者と母親がよく言い合ったり何かモノを壊す音がしていましたよ。昼夜問わずに大喧嘩していて、容疑者の『何でボクばっかり』という声も聞きました。
弟さんと何か比較されたりしたんじゃないですかね。弟さんは奥様と子供を連れて月に1度ほど遊びに来ていました」
母親と塩原容疑者のあまりの険悪ぶりに、男性はいつか警察沙汰になるのではないかと懸念していたという。しかし……
「お父さんが警察署長をやってたほどの人なので、周りも気を遣ってたんですかね。母子喧嘩の後にガラス屋が修理に来るぐらいで、警察官が駆けつけるようなことはなかったですよ。
まあ近所迷惑なほどうるさいのに謝罪の一つもないので、近隣のみなさんもあの一家とは距離を置いていましたね。
お父さんは忙しいのか、家にあまり帰ってきていなかったようでしたけど、10年ほど前にお亡くなりになりました。その際は容疑者が喪主をきちんと務めたんですが、それを機に本人は家を出て、以来こちらに戻ってきていないですね」