「売掛 辞めました」の看板を作った意図
売掛が禁止された4月1日から、歌舞伎町の花道通りにデカデカと「売掛 辞めました」という広告看板を出したのは、ホスト歴18年で、インフルエンサーとしても有名な“噂のりっくん”(35歳)と“はっしー”(32歳)の二人だ。
集英社オンラインでは4月13日、一部のホストクラブ内で禁止されている「売掛」が「立替」と名前を変え、横行していることを報じたが、これに対しこの二人が「俺たちの話も聞いてくれ」と“待った”をかけた形だ。そこでホスト側の意見を聞いた。
――集英社オンライン♯1の記事を見て、どう思われたんでしょうか。
はっしー ダメな店と残念すぎるホストのおかげで、僕らの店の看板が記事に掲載されて光栄に思いましたよ。
噂のりっくん(以下、りっくん) 正直言えば僕らの店も会計時に、お客さんが「2、3万円くらい足りない、どうしよう」みたいなときに「じゃあ次回ですね」くらいはあります。でも「立替するからシャンパン入れて」は僕らの店ではしないです。
はっしー いわゆるツケ払いですよね、僕らはしてません。僕らの店(『FILIA』)の他の従業員(ホスト)が立替しているという話も耳に入ってきてません。
――「売掛 辞めました」の看板はどういう意図で作られたのでしょうか。
りっくん ホストクラブの売掛については、頂き女子りりちゃんの事件をはじめ、去年から問題が複数浮上して、行政から指摘を受けました。これを受けて売掛はしないとホストクラブ側が宣言して始まった自主規制なので、僕らの店では昨年12月から売掛は一切してないです。あの看板は、ホストクラブ業界全体に「うちらは辞めたぞ、お前らはどうだ?」と煽るような意図で作りました。
はっしー そうね。最初「売掛 まだしてるの?」とか、さらに煽る文言の候補も出てたけど、最終的に「煽りすぎはよくない」という判断からこの文言になりました。
――では今ではお客に売掛をもちかけることはないのでしょうか。
りっくん うちの店やグループ店、全5店舗では昨年12月から一切の売掛を禁止しています。これは門外不出の売上表ですが、売掛金の欄は昨年12月からゼロになっています。
はっしー 僕は昨年12月時点でお客さま数名の売掛の残金が30万円ほど残っていましたが、そのお客さまには「もう払わんでええよ」と伝えました。禁止になった以上はチャラにしちゃったほうが自分の気持ち的にもクリーンでいいなと思ったので、僕が残金をカブりました。