積極的に客へアピールする立ちんぼも

そして記者は、ここでひとつの変化が起きていることに気づく。

以前までの立ちんぼは声をかけられるまでジッと待っているだけだった。しかし、この日は近くを通る男性に手を振ったり、ニコッとほほ笑みかけるなどして、女性側からアプローチを試みる立ちんぼが何人かいたのだ。

これはいったいどういうことなのか。前述のサキさんはこう解説する。

「大久保公園に立っていたころは勝手にあっちから『いくらで遊べる?』とか聞かれるから待っているだけでよかった。

でもラブホ街側の路地に移ってからは、男性側も『ここは大久保公園じゃないし、この子は本当に立ちんぼなの?』と迷ってしまうようで、買う男性から声をかけられる回数が減ったんです。

だから『私たちは立ちんぼですよ』って自分からアピールする意味も込めて、男性に愛想を振りまくようにしてるんです。それで興味を持ってくれたら『遊ぼ~』と声をかけます。

でも、私服警官がいるかもしれないので、私が狙うのは“沼っぽい”人たち(外国人や路上喫煙者、年寄りなど警察ではなさそうな人)だけかな」

(撮影/集英社オンライン)
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しかし、範囲を広げたものの現在の平均収入は、1日2~4万円ほどだとか。周りの立ちんぼ女性たちも以前と比べて収入が半分近くまで落ち込んでいることから、新たな方法を模索しているという。

「少しでも稼ぐためにガラッと場所を変える子も増えましたね。とくにゴジラが目印の新宿東宝ビルの前は、マッチングアプリの待ち合わせ場所として有名なので、そこでパパ活の約束をしたおっさんに『初めまして~』と、さもアポった本人を装って客を横取りしている子もいます。

私は大久保駅のラブホ街まで行って客待ちをすることもあります。でも、あそこはアジア系の立ちんぼの縄張りで、『ワタシタチノ客トラナイデ!』と片言の日本語で怒られるんですが、無視してます(笑)」

警察と立ちんぼのイタチごっこは、まだまだ終わる気配はなさそうだ。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班