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40歳くらいで売りをやめたら、さっさと死にたい

── もうずっとやるつもり?

「そうですね。40(歳)ぐらいまではやるんじゃないんですかね」

── なぜ40歳まで?

「やっぱ40ぐらいが限度じゃないですか」

── でも、公園には老女もいるよね。

「そうですね。でも、売れてるところをほとんど見たことないんですよ。むしろ『売れない』っていう見本になっちゃってます」

── その先のことは考えてる?

「そのころには犬もいないんでもう、さっさと死にたいですね」

── 琴音と「一緒に死のう」って話してるんだよね。ビルの屋上から「手を繋いで飛び降りよう」って。飛び降りるっていうのは、やっぱり人目に触れたいから?

「それもあるし、落ちるだけだからいちばん楽そう。誰かがポンと突き飛ばしてくれれば、それで終わりじゃないですか」

「40歳くらいで売りをやめたら、さっさと死にたい」──自分への仕送りのために兄は町内会費を横領、自宅の売却話まで。家族と絶縁状態になった歌舞伎町に立つ32歳の街娼の物語_1
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── 自分が死ぬことを、なぜ誰かに知らせたいの? 誰に知らせたいの?

「え、あいつ死んだんだ、みたいに思われたいだけ」

── でも、自分ではその確認はできないわけだよね。

「まあ、そうなんですけどね」