窓から目があってしまった隣人の奥さん…
さすがに家賃・電気・ガス・水道の負担はなかったというが、入居当時ですでに、洗濯機や給湯器がかなり古くなり壊れかけていた。さらに、トイレや台所の備品など共同で使うものは居住者がお金を出し合って購入。合わせてそれぞれ、月に2000円ほどの負担があった。
また、北海道の寒い冬に備えた必需品、ストーブは各自用意しなくてはならず、灯油代は自己負担だったという。
「毎年1月から2月にかけて、平均室内温度は氷点下5℃。寒波がきたときは氷点下10℃以下まで下がったことがあり、部屋においておいたシャンプーがシャーベットになりました。だいたい氷点下5℃になると、水道管凍結の対策も何もしていないので、寮のありとあらゆる水道管が水落しをしていても凍ります。
そうなると、台所を中心に灯油ストーブを3つくらい集めて置いて、水道管が集中している台所を温めて解凍するんですが、下手をすると丸一日作業になります。これで休みが潰れたこともありますし、平日みんなが仕事のときは諦めてました。トイレは近くのコンビニ、風呂は銭湯。できるだけ寮に帰らないよう、近くの安い焼き鳥屋で寝る直前まで時間を潰していました」
一方で、風通しが悪いため、夏は外が25℃なのに部屋の中は35℃ということも。窓を開けっ放しにしてないと部屋にはいられないほどだったが、隣の家とぴったり隣接していたため、窓越しに部屋が丸見え状態。「ときたま、隣の奥さんが窓のところを通るたびに、こっちを見ながら通っていくので、たぶん、ゴミを見るような目で見てたんだろうなと思ってました(笑)」と忍者タカさんは話す。
しかしこの“奥さん”が、実はとんでもない人だったようだ。
「私はこの寮に住んでいたとき、何度かおかしな体験をしました。ある日、自分だけが平日休みで寮に誰もいないとき、トイレで大きいのを踏ん張っていたら、玄関がガラガラと開く音が聞こえ、奥にある共同台所にバタバタと走っていく音が聞こえました。
社員の誰かが忘れ物でも取りに帰ってきたのかなと思いつつ、トイレから出たんですが、どこにも誰もいませんでした。他にも隣は空き部屋なのに、壁を夜中にコンコン叩く音が聞こえるとか…」