特殊清掃員が語る孤独死の現状
通常の清掃から特殊清掃まで幅広く清掃業を請け負っている「ブルークリーン株式会社」で、長年特殊清掃に従事する鈴木亮太さん。
鈴木さんはその人の最期がどんな瞬間だったのか、現場を見ると想像できると話す。
「夏場など暑い時期に亡くなられた方で死後、時間が経過した遺体を清掃する場合があります。
夏場は基本的にはにおいが出るため、遺体が早期発見されるのが普通なのですが、住まいが持ち家の高級分譲マンションの場合だと、遺体のにおいが外に漏れてこない場合があるんです。すると、遺体の発見がかなり遅れてしまうことがあります。
そういう物件で孤独死が発覚する場合は、マンションの共用部分などに出てくるハエなどです。
最近、虫が多いと不審がった住民が通報するか、孤独死現場の下の階に住んでる人が、天井にしみができてるのを見つけて、通報することにより、発見される場合があります。
警察が遺体を運んだ後に我々が清掃するのですが、3か月ほど放置され、電気が止まって冷蔵庫やエアコンも止まってしまっている状態での清掃はかなりつらいところがあります」
死後、時間が経過した遺体は、倒れたところに血液などが飛び散っている場合が多く、下の階との間にも体液などが入り込んでしまってる。そのような現場の清掃はとても苦労すると話す。
「洗面所やトイレで吐血をした後があり、おそらく心筋梗塞で亡くなられたんだなと。部屋にも吐血した後があり、部屋を移動したことが窺えます。ということは最初は軽症だったのではないかと推察できます。
本来なら少し吐血したときに、すぐ救急車を呼べればいいのですが、つらい症状もないので大丈夫だろうと放置してしまい、どんどん症状が悪化。どうしようもできなくなり、亡くなってしまったのではないかと想像します」