テロ実行の謝礼は50万ルーブル(約82万円)
ウクライナのゼレンスキー大統領は、プーチン氏の演説が遅れたのは「どうすればウクライナに罪をなすりつけられるか考えていたからだ」と主張し、ロシアがテロとウクライナを結び付けようとしていると警戒している。
一方、ロシア国営メディア「RT」の幹部は23日、実行犯の一人とされる男が尋問される場面だとする動画を公開した。男は通信アプリを通じて「50万ルーブル(約82万円)の報酬をやると言われた」と説明し、「SNSで宗教指導者の説法を聞いた後、誰かわからない人物からメッセージが届いた」「武器も知らない人から渡された」などと答えたと伝えられている。
ロシアのプロパガンダの疑いもあるこの映像には、
「この主張が本当なら、日本でも昨年、主犯格の逮捕で大きな話題となった一連の闇バイトによる強盗事件と同じ手口といえます。ただ、米メディアは、ISIS-Kにはロシアに不満を持つ中央アジアの過激派も多く加わっているとの専門家の分析を伝えており、カネ目当ての犯行と断定するのは早い」(外報部記者)との声も。
しかし、ふだんは体制の礼賛報道しかしないロシア国営メディアの幹部が、そうした犯人像を強く印象付ける映像を公表したことで、ロシア当局が民族主義の噴出や宗教対立の激化を避けようとしているのでは、との見方もある。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班