電機圧力鍋以外に魅力的な商品を生み出せず

ピクセラの家電ブランドRe・Deはより深刻だ。2023年9月期、家電事業の売上高は前期比14.8%減の7億1500万円、3億6100万円のセグメント損失(前年同期は3億8100万円の損失)を出した。減収幅が大きく、赤字が全く縮小していない。

※「ピクセラ」決算短信より筆者作成
「ピクセラ」決算短信より筆者作成
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調理家電の売上高は前期比23.8%減の2億3000万円だった。冷蔵庫などの白物家電も前期比19.6%減の3億200万円と冴えない。Re・Deを含む白物家電は、2021年9月期の売上高が10億円を超えていた。今や半分程度となったのだ。

しかも、直近四半期の家電事業の売上高は、前年同期間比で4割減少。1億1000万円となっている。減収が止まらない。

Re・Deの人気商品の一つが電気圧力鍋だが、それに代わる画期的な商品を生み出せていない。

ピクセラはテレビチューナーの会社で、主力事業は斜陽産業のど真ん中にいる。家電は会社を立て直す希望の光とも見られていたが、需要の減退とともにその灯も消え入りそうな勢いだ。

取材・文/不破聡