バルミューダフォンの悪夢が再び?

バルミューダは2月20日に「リベイクトースター」という新商品を発売した。価格は2万円台で、トースターとしては高額なもの。このトースターは、バルミューダらしいスタイリッシュな外観もさることながら、リベイクモードという新機能を追加している。

これは、市販の総菜パンなどの水分をキープしたまま温め、表面が焦げつかない絶妙な火加減で仕上げるものだ。しかし、同様の商品はツインバードがすでに販売している。2023年11月に取り扱いを開始した「匠ブランジェトースター」だ。カレーパンやクロワッサン、冷凍パンのリベイクができる。

発売から4か月で2万台、当初計画の4倍の販売を見込むヒット商品となった。

ツインバードも苦戦中の中堅家電メーカーで、2024年3-11月は2億9500万円の営業損失を出している。主力のキッチン家電は、3四半期累計での減収が3期連続で続いている。

「匠ブランジェトースター」は起死回生を狙う商品の一つだ。バルミューダはそれに追随したのだ。ただし、ツインバードは自社工場を持った老舗家電メーカーだ。機能性やアフターケアの面では、ものづくりを続けてきたツインバードに分があるのは明らかだ。

写真/shutterstock
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バルミューダは業績悪化を機に大幅な人員削減を進めており、開発力が弱体化する懸念がある。もし、他社のヒット商品に気を取られて独自性を失い、本来の強みを発揮できない製品開発や市場開拓に邁進しては、自滅の道を歩むことにもなりかねない。

開発をすべて京セラに任せ、機能性において他社に劣っていたスマートフォンの大失敗がまさにそうだった。