コロナ禍がピークとなったバルミューダ
キッチン家電ブーム時代の寵児とも言える存在がバルミューダだ。コロナ禍の2020年12月に上場した会社だ。
上場後の2021年12月期に売上高が前期比46.0%増の183億7900万円、営業利益が同15.3%の15億1800万円で2桁増収営業増益を達成した。しかし、それがピークとなってしまう。
2022年12月期は辛くも赤字を逃れたが、2023年12月期は13億7500万円もの営業損失を計上した。売上高はピーク時の7割まで縮小している。
バルミューダは空調家電なども扱っている。しかし、売上の7割はキッチン家電が占めている。2021年12月期から2023年12月期までの売上推移を見ると、前述したヤマダデンキのキッチン家電と似通っていることがわかる。バルミューダが2024年12月期の売上予想を前期とほぼ横ばいとしているのも、ヤマダの2023年3月期第3四半期が前年と同水準だったことを考慮すると納得できるものだ。
この会社はインテリアショップに販売チャネルを設けたことからもわかる通り、デザイン性を最大のセールスポイントとしている。自社工場を持たないファブレスであることからも、デザイン力・企画力の会社であることがわかる。
キッチン家電が停滞する中、このビジネスモデルがどこまで市場を攻略できるかが再成長の最大のポイントとなる。