国・地域別の観光客数は1位・韓国、2位・中国

では、現在どこの国から多くの観光客が日本を訪れているのか。2023年の訪日外国人旅行者の数を、国・地域別に見てみよう。

以下は日本政府観光局(JNTO)が発表した推計値の上位5カ国であるが、ほとんどの国でコロナ禍前を上回るか、それに近い水準となっていることがわかる(括弧内は2019年比)。

◯韓国 6,958,500(+24.6%)
◯台湾 4,202,400(-14.1%)
◯中国 2,425,000(-74.7%)
◯香港 2,114,400(-7.7%)
◯米国 2,045,900(+18.7%)

(出典:日本政府観光局「訪日外客数(2023年12月および年間推計値)」より一部抜粋)

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多くの観光客で賑わう浅草寺前(筆者撮影)

そのなかで、中国に関しては、旅行者数・消費額ともにコロナ禍前の水準には達していない。回復が鈍化している要因としては、経済悪化や渡航に関する制限、国際旅客定期便の減少などが指摘されているが、JTBは「ゆるやかながら着実に増加しており、2024年は個人旅行を中心に回復が進むものと想定」としている。

訪日外国人旅行者の消費において、中国人観光客の存在は見逃せないだろう。2015年には日本の商品を大量に買い込む中国人観光客の「爆買い」がユーキャン新語・流行語大賞を受賞したことも、いまだ記憶に残っている。

実際のところ、戻りが鈍化しているとはいえ、国籍・地域別における2023年の訪日外国人旅行者の年間消費額では、1位の台湾(7786億円)に次いで、中国は全体2位に位置(7599億円)。さらに中国人観光客1人あたりの平均旅行支出額は「31万9924円」と、韓国(10万7047円)、台湾(18万7921円)、香港(22万7160円)、米国(29万6411円)などと比べても高い数字となっている。