ウォーレン・バフェットの「逆張り力」
――日本株投資についてお聞きしたいのですが、日本にもかなりの影響力を持つといわれる米投資家、ウォーレン・バフェット氏が日本の5大総合商社株を大幅に買い増して話題を呼びました。こうしたバフェット氏の行動についてはどう認識されているのでしょうか?
熊野(以下同)バフェット氏が凄いのは、「ITはもう駄目だ」と言った舌の根が乾かぬうちにアップル株を大量買いするとか、巷間上がり切ったと認識されるエネルギー株に投資したりと、いわゆる逆張りをするところです。
バフェット氏の強さは、自分が言っていたことを常に“仮説検証”しているからこそ、いつでもそれと反対の行動ができることにあると思います。自分の役に立つならば、今まで思い込んでいたことを、なんの執着もなく変えてしまう。これは非常に重要なことだと思います。
――バフェット氏でさえそうなのですから、我々はもっと知恵を働かせて、インフレ課税に抵抗すべきなのですね。
もともとお金がある人は、損をしてもどんどん買い続けて、最後の一回で勝てばそれで勝者になり得ますが、資産がない者はそういう作戦は取れません。やっぱり、細かく考えて立ち回るしかない。
――このインフレはいつまで続くとお考えですか?
そう簡単には止まらないでしょう。20年以上も続くとは思わないけれど、数年で終わるものではないと思います。逆にいえばそれだけの間、インフレ課税に立ち向かわなければならないのです。
――今年の4月以降、日本株が外国人投資家に爆買いされた結果、日経平均株価が33年ぶりにバブル後の高値を付けるなど、順調に推移しています。この状況をどうご覧になっていますか?
日本株は、何年かのタームの間で、今のように必ずチャンスのフタが開くわけですから、そこを見逃してはいけません。日本企業は、内部留保をたっぷり持っていると言われて久しいですが、では、内部留保は何のためにするのでしょうか。それはチャンスが訪れたときに〝投資〟をするためにあるのです。外国人投資家はそこに期待をしているのではないでしょうか。