前編 大阪・黒門市場に地元客から批判噴出! カニ足4本3万円、エビ1尾3500円…やばすぎる高価格のワケ。組合は「適正価格で商売しましょう」とビラを配るも…

インバウンドの恩恵を受けていない店舗も

とある6月の平日。黒門市場は朝から外国人観光客でごった返していた。彼らは1尾2500円のエビやタラバガニの足4本3万円といった高額商品も、ためらうことなく買っていく。

このような状況を黒門市場の老舗店はどう思うのか? 老舗漬物屋で働く40代の女性店員は、こうぼやく。

いまやインバウンドの聖地となった大阪・黒門市場
いまやインバウンドの聖地となった大阪・黒門市場
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「黒門市場がインバウンドで盛り上がって外国の人は来るようになったけど、道が混むようになったし、食べ歩きをする人も多い。食べ物が衣服についたり、人混みがごった返しているから、日本人のお客さんはだいぶ減った印象だね」

このお店は市場の中心にあるから、常連客からも「道が混んでいて行きづらい」と何度もクレームが入ったそうで、インバウンドの恩恵は一切受けていないという。

「それでもウチは漬物屋だから、この商店街にライバルはほとんどいないし、いっさい値段も営業スタイルも変えてません。たぶん精肉店や鮮魚店さんだと、同業者同士で”敵対心”を抱いているかも。
まぁ、元からいた日本人のお客さんも新規の外人さんも、どちらも大事にすればいいと思いますけどね」

※写真の店舗は本文中のコメントとは関係ありません
※写真の店舗は本文中のコメントとは関係ありません

いっぽう、実際に高すぎると思われる値段設定で商売をしている店舗の言い分を聞いてみた。 神戸牛肉串を1本4000円で売っていた店の従業員は、しぶしぶ口を開いた。

「私はアルバイトなので詳しいことはわかりませんが、日本人は店先で『うわ、高っ...』とつぶやく方もいますし、私自身、たしかに高いとは思います。
でも、ヨソのお店もこのくらいの価格だし、鮮魚店なんてもっとびっくりするような値段のところもある。それに比べたらうちはまだマシでしょう。
まあ、黒門市場は観光地価格で商売する場所だと思っているので、罪悪感などは感じません。私なら買いませんが(笑)」