階段で息切れ、夜の咳、夜間頻尿は心臓が悪いサイン
心臓病というと、心臓が弱い何か特別な病気と思われがちですが、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患は加齢、過食、運動不足、喫煙など生活習慣病と関わり合いがあり、実は身近な病気です。
心臓が悪いと体からさまざまなサインが現れるので見逃さないようにしましょう。
ここでは、ふだんの生活の中から感じやすい7つのサインを紹介します。
1 階段で息切れ
心臓は24時間365日絶え間なく動いて、血液を体に巡らせます。その血液は酸素を持った状態で全身を巡り、体のエネルギー源となる酸素を送り届けるのがメインの役割です。
もし、心臓が悪くなると、体のエネルギー源となる酸素が十分行き渡らなくなり、全身が酸素不足に陥る場合があります。
そのため、最初に症状として出やすいのが日常生活において、いっぱい酸素を使って運動をするときです。階段を上るときやランニングをするときは体を酸素を多く求めるので、心臓が悪いとすぐに息切れを起こしてしまうことがあります。
久しぶりにランニングをしたら、息切れするのは当たり前なのでそれほど心配ないのですが、以前は階段で息切れしなかったのに、最近は息切れすることが多い場合は心臓が悪いサインである可能性あります。
ただし、運動不足などで息切れする場合もあり、これだけだと心臓が悪いとは決めつけられないので、ほかのサインと合わせてチェックしましょう。
2 夜の咳、息苦しさ
階段を上るなど激しい運動をしたとき以外でも、心臓が悪いと息切れするタイミングがあります。それはズバリ夜、就寝時です。
人間は立っていると重力のせいで、足のほうに血液が溜まりやすくなりますが、横になると、今度は足のほうに溜まった血液が肺へとだんだん循環するように。このときに心臓の動きが悪いと肺の血管から心臓に血液を送っているところで渋滞し、肺に水が溜まってしまいます(水腫)。こうなると息苦しくなり、咳が激しくなるのです。これを「夜間呼吸困難」といい、心不全のチェック項目の1つになるくらい、心臓疾患ではよく見られる症状です。
夜間呼吸困難になると、横になっているのがつらくなり、胡座をかいたり、ベッドの後ろにもたれて体を起こしたりする状態になることがあります。これは夜間呼吸困難のつらさを和らげようと体が本能的にとる行動で「起坐呼吸」と呼ばれます。
もし夜間にこういった症状になったら、我慢せず救急車を呼びましょう。
3 夜間頻尿
そしてもう1つ、夜に起きやすく心臓が悪いと現れるサインが夜間頻尿です。
心臓が悪いと、日中は血液の循環が悪いので、腎臓への血液の流れもよくありませんが、就寝中、横になると足のほうに溜まった血液が循環するようになって腎臓への血流がよくなり、排尿の回数が増えてしまう場合があります。
ただし、夜間頻尿は男性の場合は前立腺がんの疑いも。夜の咳や起坐呼吸といった症状が併せて出ていたら心臓が悪いサインなので、両方をチェックするようにしてください。