いろいろ試して気づいた「最高のおつまみ」
私はダイエット中、小腹がすいたときに食べられる商品を探して、乾きものにたどり着いた。
なかでもお気に入りはセブン-イレブンの『香ばしい風味の 焼ほたて貝ひも』。甘いタレに、ピリッとくる唐辛子がアクセントになってめちゃおいしい。あまりのおいしさに1日に5~6袋消費していた時期もある。
そして、最終的に気になったのがお酒との相性である。晩酌をする習慣すらなかった筆者が乾きもの側から考えた、お酒との組み合わせなので、信頼性は保証する。
漫画『限界社員スズキさんの癒されコンビニグルメ』でも描いたが、日本酒には鮭とばや鮭皮というクセのある魚介類の乾きもの。ハイボールのようにほんのりと甘くあっさりした味わいにはチーズ系。喉ごしビールには、しょっぱいポテチがぴったりだった。
また、少し上級者向けのチョイスになるが、焼酎のエナジードリンクシュガーゼロ割り(3:7)に韓国のりも最高の組み合わせである。エナジードリンクと焼酎がそれぞれ持つクセを互いに打ち消し合い、するするとお酒が進みながら、つまみの韓国のりの油じょっぱさを洗い流す…シュガーゼロでないと甘ったるくなるので注意が必要だ。
そして本題。乾きものをたくさん試してきたからこそ、わかることなのだが…実は乾きものにも鮮度がある。
飲み会で大皿に広げ、長時間外気に晒され、乾ききった乾きものに慣れているのかもしれないが…一度でいいから、コンビニで買った乾きものを大切に、ていねいに食べてみてほしい。
新鮮なさきイカは噛めば噛むほど、イカ肉汁があふれ出て、焼き貝ひもの開けた瞬間の歯ごたえはぷりぷり、ジャーキーの歯切れのよさは袋から出した瞬間が最高で、チー鱈の鱈とチーズの食感の違いを楽しめるのは開封後せいぜい10分以内だろう。
そんなのわかってると言いたいと思うが、お酒で緩んだ脳みそと、鈍った舌で判断することは至難の業であるし、読者の中には、家族の夕食の残りで晩酌している人も多いだろう。
今一度、乾きものを主役としてお酒を飲んでほしい。乾きものの鮮度の意味が刷新されるはずだ。
……と、豪語したところだが、あえて鮮度の落ちた乾きものがおいしい場合もある。
それは湿気ったポテトチップスである(人の好みにもよるが)。
気の合う仲間と何時間も飲んだ後、皿に残った小さな湿気ったポテトチップスと氷の溶けた薄い酒の相性は抜群である。しかし、それを後日自宅の晩酌で再現してみても案外合わなかったりする。仕事前にポテトチップスの袋を開けておいて、帰宅後、完全に湿気ったポテチを準備しても…それほど合わない。
そこで初めて気づく。気の合った仲間との空間は、最高のおつまみの1つであるということに。