駄菓子は酒のパートナー
実は私が育った家は、私以外の家族全員が下戸。だから私は、駄菓子で酒を飲むどころか、酒の飲み方すら知らずにおとなになった。
それでも、人よりやや遅れて酒を覚え、人並みにいろんなツマミを味わうようになったが、まさか、あの頃おやつにしていた駄菓子を酒に合わせて選ぶ日が来ようとは。
少々興奮気味に駄菓子屋でいろいろ買い込み、試した結果、超個人的ベスト5を決めたので、発表したい。
5位 『カットよっちゃん』 50円 よっちゃん食品工業株式会社
子どものわたしは酢の酸味が好きではなかった。多くのイカ菓子は串に刺さってプラスチックの大きなボトルに入っており、子どもたちが泥だらけの手を入れ代わり立ち代わりつっこんでは買っていった。そんな衛生観も、昭和という時代だった。
そして現在、イカ菓子は袋入りのカットよっちゃんという姿になっている。イカと酸味というツマミ定番の組み合わせに、鮮やかな赤をまとったよっちゃんイカは、酒によく合い、おとなになった私も手を伸ばす存在となった。
はっきりいってツマミとしても相当強烈な酸味であり、ひと噛みすると顔がきゅっとすぼまる。一緒に日本酒や焼酎を含むと、その酸味は甘みとなり、スッキリ洗い流され、次のひとくちが欲しくなる。
私にとって酸っぱいイカ菓子はまるで、昔はケンカばかりしていたけど、大人になってから意気投合した幼なじみのような存在だ。
なお、生産元はなぜかイカと縁の遠い山梨県で、イカした会長のエピソードが面白いので、興味があればググってみてください。