まずは脳の「土台」を作る

先にもお話ししましたが、脳を育てる順番は守られるべきものです。まるで1軒の家を建てるように、1階に「からだの脳」を作り、次に2階の「おりこうさんの脳」を作っていきます。最後に、1階と2階をつなげる階段となる「こころの脳」を作れば完成です。

先の「神童」が不登校になってしまった理由は、「からだの脳」ができ上がる前に、「おりこうさんの脳」を作ろうとしたことにあります。まだ1階部分が完成していないのに、先に2階を作ろうとして、2階の重荷に耐えられず、家が崩れてしまったのです。

幼い頃から、英会話、ピアノ、ダンスなどを習わせる親御さんがとても増えています。幼い子どもは何でも吸収する力があるので、親が手をかければかけた分だけ「才能のある子ども」になるでしょう。

子どもの脳をダメにする親のNG行為とは? 「神童」が不登校になった原因は“習いごと”の多さ?…起立性調節障害を招きかねない脳からの危険信号とは_2

しかし、「脳育て」の観点からいうと、むしろ真逆になってしまっている場合が非常に多いのです。

まずは何より、「からだの脳」をしっかりと作ること。そのためには、毎日規則正しく生活して、十分に睡眠を取ることが最も重要です。

この本は、親が発する「言葉」が子どもの脳の発達にどのような影響を与えるかがメインテーマです。確かに、「言葉」は、すこやかな脳を育てるために非常に重要なものですが、それはあくまで「からだの脳」という土台がしっかり作られていることが前提での話です。

その点だけは、絶対に忘れないでください。