宅建も司法試験も合格した2つの勉強法
僕が見つけた受験勉強のコツは、過去問や市販の問題集を繰り返すことだ。
テキストを読むのは、問題集を解き終わってどんな問題が出されるのかイメージを持ってからで良い。やみくもにテキストをべた読みすると、重要でない部分を暗記するように読み込んでしまったりして無駄が多いのだ。
受験までの時間がないなら、問題集で間違ったところだけテキストを読むでもいいと思う。つまり、テキストの通読を一度もしなくても合格には足りる。この「問題集を先にやりましょう」という方法は受験に特化した勉強法なのであって、学問的な教養を身につけることを一切無視している。僕は、「教養なんてものは合格してから身につければよい」と思っていた。
問題集は「繰り返す」ことが大事だ。逆に言うと、しっかりと問題に向き合って1周だけ取り組むみたいなやり方ではあまり身につかない。サラっとでいいから問題を解く、すぐに回答を読む。これが一番だ。
時間をかけて記憶を絞り出す必要はないし、そもそも絞り出さなければ出てこないような記憶では受験に使えない。とっとと問題集を1周させて、すぐに2周目、3周目に突入する。
テキストは、必要に応じて、後回しで良い。これが、僕が宅建の受験で身につけた勉強法だ。基本的にこのやり方で、司法試験まで合格できた。
何度も間違える問題を絞ってその問題を繰り返し解く。不思議なもので、1回で身に付く問題と何度も間違いを繰り返す問題がある。「なんでだろう?」と悩んでも仕方ない。間違えを繰り返すところに付箋を貼って、間違えやすい問題だけ解くこともした。
図やイラストを使って記憶に残す方法も良かった。
僕は、絵やマンガを描くのが好きだ。子どものころから、文字だけの本はまったくといっていいほど読まなかったけど、マンガはよく読んだ。本を読むことに苦手意識はなかったけど、マンガの方が断然好きだった。文字だけの情報は脳が受け付けないが、イラストが一緒にあると記憶に残る。
宅建のテキストにもイラストが少しはあったけど、それでも僕には文字が多すぎると感じた。そこで、僕は、ノートをとるときやテキストに書き込みをするときに、図やイラストを一緒に書き込むようにした。知識を思い出すときに、そのイラストと一緒に記憶から取り出すことができた。
これは、特に暗記が必要な科目のときに有効だった。
いまだに、民法の条文を思い出すときに、宅建の勉強の時のイラストを思い出す。イラストのおかげで、僕の記憶にしっかりと定着しているということであろう。
文/諸橋仁智