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世の中にはヤクザとカタギの間に境目がない

2022年12月20日、神戸山口組の元若頭で侠友会の寺岡修会長が引退し、侠友会の解散を表明した。組員は他の組織に移籍することなく、全員が“カタギ”になる予定だという。
だが実際のところ、こうした組員らは本当にカタギになれるのだろうか。

「普通の仕事はバカバカしくてやってられない」恐喝、詐欺等で再び逮捕され、暴力団に出戻り…破門されたヤクザたちのカタギにもなれない“第二の人生”_1
稲川会幹部に見送られる寺岡修元会長
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指定暴力団傘下組織の、ある幹部A氏は、「カタギになるのは簡単だ。大変だというのは、カタギになっても食えない者の言い訳にすぎない」と断言する。

「組を辞めればもうカタギだ。警察は組員が辞めたと口で言うだけでは納得しない。破門状や絶縁状などが求められる。この世界ではそれがあればカタギだが、世の中にはヤクザとカタギの間に境目がない」

組織を抜けても、すぐにカタギとみなされることはない。ヤクザとカタギのくくりが、ヤクザの世界と一般社会では異なるのだ。