シャブを効かしたトレーニング

司法試験をめざす前に、少しずつだけど、勉強の合間に運動を始めた。

最初は軽く散歩したりする程度だったけど、勉強の息抜き・リフレッシュにはよい効果があった。精神病院を退院したころ、体重は100キロ近くあったと思う。このころ飲んでいた精神薬は、身体がだるくなって動きが鈍くなった。「太るよ」と、医師からも説明を受けていた。

さすがに痩せようと思い、ダイエット目的で運動を始めた。汗をかいてリフレッシュすることが気持ちよかった。体重が100キロもあると、ちょっとの散歩でも汗びっしょりだった。
そのうち、ダイエット目的より、楽しくて運動するようになった。

実は、運動の気持ち良さに気づいたのは、(司法試験の前に受験して合格した)宅建の勉強を始めるより前のことだ。まだシャブにボケて、渋谷にいたころの話である。普通、シャブに浸かるとギャンブルや性欲に走るものだが、僕はなんとトレーニングにはまった。

シャブをきめていると筋肉の限界を超えたパワーが出せる。

ギンギンにシャブを効かしてからトレーニングをして、プロテインをガブ飲みする。アスリートなら完全にドーピング違反になるようなトレーニングを、シャブにボケた僕は、夜中の代々木公園で一人でしていた。

体重100キロあった元覚せい剤中毒のヤクザはいかにして弁護士になったのか? 宅建も司法試験も合格した2つの勉強法_3

周りの仲間が離れて一人ぼっちになっていたとき、トレーニングくらいしかやることがなかったというのもある。

トレーニングにハマるというのは、依存症の人にはお勧めの依存の逃がし方だ。最初はしんどいけど、だんだん筋肉に乳酸が溜まること(疲労すること)が快感になってくるから不思議だ。トレーニングにうまくハマって依存を切ることに成功している方は多くいる。

しかし僕はシャブとトレーニングを併用していたから、これではまったくダメだった。それでも、トレーニングの気持ちよさを知っていたことは後々にシャブを断つことに役立った。執行猶予判決をもらい、実家で宅建の勉強をスタートしたころに、シャブなしでも運動の清々しさを楽しめるようになったのだ。

そして僕は、どんどん運動にハマっていった。最初のうちは、晩メシのあと風呂に入る前の時間帯に運動していた。

運動をすると、血圧上昇と興奮作用があるから、眠りにつく数時間前の運動は、睡眠を阻害するため、適さないらしい。宅建受験のころは、風呂を上がった後に深夜3時や4時まで起きて勉強とかをしていたから、夜の19時〜21時くらいに運動することが睡眠サイクルにもあっていた。