山口真由「結婚さえすれば“エリートからの落伍者”にならずに済む」と思っていた…ハーバード留学中に婚約破棄、そして卵子凍結という道を選択
東大卒で財務省に入省、そして弁護士に転身と輝かしい経歴を持つ山口真由さん。そんな山口さんのエッセイ『挫折からのキャリア論』(日経BP)では、超エリートの山口さんが経験した社会に出てからの挫折が詳細に描かれている。その挫折や失敗について本人にうかがった。(前後編の後編)
山口真由のどん底履歴〈後編〉
本当のロールモデルは自分の弱いところを年齢に関わらず見せていくこと
――最後に。結婚するのか、独身で出産、育児をするのかというワードが出ました。女性は結婚、独身、子供がいるかいないのかで、立場や考えに違いが出てきます。そういう女性同士の関係性をよくするためには、どんな方法があるのか、山口さんの考えをお聞かせください。
子どもがいても、いなくても、結婚してもしなくても。それぞれにいい部分もあれば、自分のことを惨めに思う部分もあります。そういう部分をお互いにさらけ出すことではないでしょうか。どちらがいい、悪いでもない。
『挫折からのキャリア論』にも女性のロールモデルについて触れました。
これまでの感覚ですと、ロールモデル=先輩、で、上司は自分の成功やかっこいい面を見せて引っ張っていくようなイメージがありました。でも私は違うと思う。本当のロールモデルは自分の弱いところを年齢に関わらず見せていくことなんですよ。
そこでお互いが理解しあう。優劣がない。女性の立場も同じで、以前は私もプライドが先立って言うことができなかった「こんなに困っています!」と、開示していくことが必要なのではないでしょうか。
取材・文/小林久乃 撮影/惠原祐二
〈前編:山口真由のどん底履歴“エリート中のエリート”から大転落。誰にも言えなかった極貧生活〉
2023年5月25日
1,870円
180ページ
ISBN:978-4296202058
キラキラに見える人生は、実際は泥沼だった。
何度でも失敗からはい上がる
折れないキャリアのつくりかた
この本では、私の失敗談を「これでもか!」というほど紹介します。
私たちがもっとお互いの弱さを開示して、手を取り合っていくことで、
職場でもっと違う振る舞い方ができるようになるのではないかと思うからです。
「仕事ができなかったんです、私」――。「東大を全優で卒業」「財務省に入省」「米ハーバード・ロースクール卒業後、NY州弁護士登録」といったキラキラな印象のある著者ですが、実は人知れぬ悩みを山ほど抱えていました。時間がかかった「自分探し」の末に見つけた「キャリアの軸」とは? 悔しい挫折や失敗を乗り越えて、前に進むエネルギーに変える「飴玉メソッド」も詳しく紹介します。