#1 騙されて続けてきたアイドル・中野たむが、最後に辿り着いたプロレスラーの道

「プロレス舐めんな」というアンチが大量に湧いた

――スターダムでは、「COSMIC ANGELS」(コズミックエンジェルズ)というユニットを結成し、入場時にダンスやオリジナル曲の歌唱を行なうようになりましたね。女子プロレスのマットでアイドル的なパフォーマンスをすれば批判されるかも、とは思わなかったですか?

中野(以下同) めちゃくちゃ思ってました。実際、結成した瞬間からアンチが大量に湧いたんですよ(笑)。「プロレス舐めんな」「チャラチャラしてベルトとか言ってんじゃねぇ」みたいな。でも、そこで辞めたらかっこ悪いし、当時は批判どうこうどこ4ろじゃなかったんですよね。一緒にコズエンを結成したふたり(白川未奈、ウナギ・サヤカ)をどうにかしなきゃ、と思ってたから。

アンチに「宇宙一ブス」と言われても、死ぬまでアイドルでいようと決意した大先輩の一言。スターダム王者・中野たむは「死んでもいいと思って、残りのキャリアをすべてこのベルトに捧げようと思っている」_1
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――どちらかというと、仲間のためだったと。

そうですね。私は岩谷麻優に手を差しのべてもらったけど、今度は誰かに施す側になりたかったから……。つまり岩谷麻優になりたかったんですね。

――岩谷選手は、「スターダムのアイコン」として団体の旗揚げ時から活躍する大スターですね。かつては中野さんも、岩谷さんからの誘いを受けて本隊ユニット「STARS」のメンバーとしてリングに上がっていました。

はい。最初はSTARS内のユニット内ユニットとしてコズエンを立ち上げたつもりだったんですけど、岩谷から「何がしたいの?」って詰められて、独立せざるを得なくなりました。そのときはめちゃくちゃショックで、自分には背負いきれないと思ったけど、私に人生を預けてくれた白川とウナギのためにも引くに引けなくなったんです。でも、あのときがあったからこそ今の私があるので、独立してよかったなと思っています。