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平山市議が政治家を目指したワケ

市議会議員は兼業が認められているため、平山杏香市議は草加市議になった現在も草加市内のハウスクリーニング会社の執行役員を務めている。
平山市議が市議会議員を目指したきっかけは同社でアルバイトをしていた時期だった。

「当初は人手が足りず、私自身も現場の仕事に出ていました。お客さんの自宅に訪問して室内エアコンの分解をして洗浄をする業務で、作業は1時間ほどかかります。
手が空いたタイミングでお客さんと世間話をしていると、『道路脇に生えた草木のせいで車が見えづらい』とか『あそこの道は電灯が少なく暗いから怖い』など、多くの人が小さな困りや悩みを抱えていることに気づきました」

「中年男性と握手したらベタベタしたものを手に塗りこまれ…」草加市最年少議員、平山杏香市議が選挙戦を振り返る。元野球部マネージャーが政治家を目指したワケ_1
インタビューに応じる平山市議
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しかし、市役所にわざわざ言うほどのことでもないと本人たちも半ば諦めている。そんな話を聞いているうちに、次第に平山市議はそれらを解決することこそが市議の仕事なのではと感じるようになる。

「28人いる草加市議にひとりくらい、市民の小さな声を拾いあげる市議がいてもいいんじゃないか。そう思い始めたんです」

ごく普通の家庭で育った平山市議は地盤もなければ看板もない。母親に市議になりたいと告げると「何言ってんの?」と冗談だと思われる始末。それでも平山市議は無所属で出馬することを決意した。

「そのときに『ジャージで行く!』と決めたんです。スーツだとお堅いイメージで距離ができてしまう。でもジャージなら気軽に話しかけてもらえるかなと。それに動ける政治家でありたいと思うので」

「中年男性と握手したらベタベタしたものを手に塗りこまれ…」草加市最年少議員、平山杏香市議が選挙戦を振り返る。元野球部マネージャーが政治家を目指したワケ_2
選挙活動中の平山市議(本人提供)

そして、大きな挑戦が始まる。

「とにかく市議になるための行動を、と自らを鼓舞し、落選したときのことを考えないようにしていました。それでもやはり不安でしたよ。現行の選挙制度で若い人が政治家になろうと思ったら、文字通りすべてを失う覚悟が必要ですから」

25歳以上であれば市区町村議会議員の被選挙権を得られる。しかし、25歳といえば通常は働き盛りの若手社員。市議になるための活動と、通常の仕事を両立させるのは簡単なことではない。