40代男性の握手に応じたら…
「いくら政治に興味があっても、大卒入社でようやく仕事に慣れてきたところで、仕事を失うリスクを考えるとなかなか踏み出せないと思います。
私の場合は今のハウスクリーニングの会社が融通をきかせてくれましたし、『落選してもまた働いて頑張ってくれればいい』と言ってくれたので、その点は恵まれていました。
ただ、(政令指定都市以外の)市議選では30万円の供託金が必要で、法定得票数を獲得できないと没収されてしまいます。
その他にもチラシ代など、準備の活動と結局200万円以上にもなってしまいました」
こうした費用に加えて、無所属から出馬するなら半年はその準備期間にあてたいところ。こういった理由もあって、日本に若い政治家が増えない点は否めないだろう。
また、駅での選挙活動中にはこんな出来事も。
「40代くらいの男性に握手を求められたのですが、その方の手はハンドクリームがベタベタに塗られていて、握手をすると私の手に塗りこんできたのです。私は『ありがとうございます。でも、ここは手を洗う場所もないので……』とやんわりやめてほしいとお伝えしました。
その方は私がまわった4つの駅に必ず来ていましたね。さすがにハンドクリームまみれはそれ以降ありませんでした」
苦渋にも耐え、ジャージ姿で駅前に立ち続けていくうちに、平山市議の知名度は徐々に上がっていき、投票日直前には「頑張って」と市民から声をかけられるようになった。
「投票前の1週間は不安というより、『もうやるしかない!』という気持ち。
投票日当日は選挙活動はできないので市外の飲食店で“お疲れ会”をやっていましたが、どうにもそわそわしてネットで開票数ばかり気にしていました。そして、当確が出たときはほっと胸をなでおろしました」
候補者は41人。当選議員28人のうち平川市議は4番目の得票数を獲得し、見事、草加市議員に選出されたのだ。