Ⅲ期の特徴その1 ついに登場! 蘭丸団!!!

ついに登場・蘭丸団! アザ―カバーの原画もくらもちふさこ展第Ⅲ期を振り返る_001
『わずか一小節のラララ』本文(撮影:細川葉子) ⓒくらもちふさこ/集英社

1976年別冊マーガレット2月号に掲載された『わずか5センチのロック』以降、約1年に一度掲載された「わずか…」ではじまる読み切り連作は、主人公たちが組んでいるバンドの名前からファンの間では「蘭丸団」シリーズと呼ばれている。蘭丸団のリーダーにしてギターの佐藤ちゃんは、革ジャンの似合うクール男子だ。(上の写真で中央の黒服)。
当時の少女まんがは西洋の王子様のようなサラサラキラキラ系ヒーローが主流。くらもち先生自身も女子高育ちで男子との交流が少なかったというが、「別冊マーガレット」という学園には、とんでもないワイルド系男子を持ち込み、少女まんが界に革命の風を吹き込んだ。

【ためし読みはこちらから】
マーガレットコミックスデジタル『わずか1小節のラララ』

ついに登場・蘭丸団! アザ―カバーの原画もくらもちふさこ展第Ⅲ期を振り返る_002

Ⅲ期の特徴その2 しょこたんパパ作詞のあの作品が…

ついに登場・蘭丸団! アザ―カバーの原画もくらもちふさこ展第Ⅲ期を振り返る_003
『7月ぼくはやさしい』本文(撮影:細川葉子) ⓒくらもちふさこ/集英社

『こんぺいと・は・あまい』に収録されているこちらの短編は、売れないバンドマンの妻と無所属のボーカリスト・葛西の恋を描くちょっと異色の読みきりだ。Ⅲ期で展示されたのは、きまぐれでとらえどころのない葛西が遊園地のミラールームの中ではしゃぐ様子。ページ全体を大胆に使って様々な角度から鏡に映る「葛西」を描くことで、翻弄される主人公の気持ちを描いている。

注目は、この作中歌の作詞を担当しているのが、タレント・中川翔子さん(しょこたん)の亡父・中川勝彦氏だということ。中川勝彦さんは高校在学中からグラムロックアーティストとして注目を浴び、『ねらわれた学園』『転校生』などの角川映画に出演。中性的な雰囲気で人気を博していた。
もともとまんがや特撮好きのオタク気質であった中川さんは、とあるインタビューを介してくらもち先生と対面し、意気投合したという。どんな歌詞か知りたい方は、ぜひ電子版で本編をご覧あれ。

【ためし読みはこちらから】
「こんぺいと・は・あまい」

ついに登場・蘭丸団! アザ―カバーの原画もくらもちふさこ展第Ⅲ期を振り返る_004