♯1 世界経済崩壊間近!敏腕トレーダーが指摘する、1928年世界恐慌直前と2023年、酷似する2つの「NYダウチャート」
♯2 シリコンバレー銀行、シグネチャー銀行、クレディスイス…続々破綻の背景にアメリカの“中国潰し”?
♯4 2025年、世界経済崩壊で株相場は10分の1まで下落⁉ 生き残るために持っておくべき「資産」とは? 

米国が仕組んだ世界金融ガラガラポンの中身

「米国バブル崩壊」で進む世界金融大再編。ついに「デジタル通貨」創設で暗号資産は淘汰される⁉_1
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――歴史を振り返ると、膨れ上がったバブル経済は必ず崩壊してきました。今後、どのような形でバブル崩壊、グレートリセットへと展開していくのでしょうか?

岩永憲治(以下同)米国が見据えているのは、2024年11月に行われる大統領選挙です。その前までに米国がすべきことは、経済の中心である銀行の膿を出すこと、加えて、ゼロ金利あるいは超低金利の環境でしか生き残れないゾンビ企業潰しでしょう。それらを行ってから、「さあ、米国株を買ってください」と世界に呼びかける。今はそのお膳立てを整えている真っ最中といえます。

3月22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)においてFRBは0.25%の政策金利引き上げを決めました。それでも依然としてマーケットやメディアの読みと実体経済には乖離が見られます。おそらくマーケットやメディアが米国経済の強さに気付くのは2024年になってからでしょう。

なぜならば、FRBがこれだけ政策金利を上げても、株が落ちずに上がっていくというシナリオを現状では誰も描けていないからです。株の推奨セクターは軍需産業。その理由は前述したように、戦時経済体制に入っていることで、議会で予算が通りやすくなっているからです。

――米国の物価高、インフレ状態はどこまで進むと予測されていますか?

今はインフレを抑えるためにFRBは政策金利を上げています。FRBがインフレに対する判断を何に求めているかというと、それは原油価格です。原油価格はいったん120ドルでピークを打ち、現在は70ドル台まで下がってきています。ピークから50ドルも下げたところで落ち着いていることから、おいおいインフレは収まっていくでしょう。

結局、米国政権がこれ以上国民にマネーをばら撒かず、金利を粛々と上げて、マーケットから資金を吸収していくならば、おのずとインフレは収束するはずです。ただし、インフレターゲット2%などと目標を掲げているとはいえ、そこまではなりません。

なぜなら、いまの米国は労働市場がかなり強いからです。先刻も示したとおり、軍産複合体を中心とした裾野の広い産業がドルの輪転機を回し続けているからで、世界中の軍需産業が活発化しています。

2024年に入れば、今度はマーケットやメディアは一転して強気一辺倒になって、「今回は違う。バブルではない。米国株式市場は盤石だ!」と大声を張り上げるでしょう。2024年の第3四半期、あるいは大統領選挙の直前まで、米国は史上最大のバブルをつくっていきます。