受刑者たちが変わっていけるための種まきができたらいい
――今後、求人誌以外で力を入れていきたいことはありますか?
去年から群馬県の前橋刑務所で就労に関する講座をやらせていただいて、5月からは一般改善指導のプログラムとして取り入れていただくんです。人生を切り拓くのって、目の前のことをどう前向きに捉えるかだけじゃないですか。
でも、物事の見方や捉え方が逮捕前と同じままだと、出所しても不平不満だらけで、どこへ行っても同じことの繰り返しだと思うんです。教育といったらおこがましいんですけど、受刑者たちの考え方や捉え方が変わるようなきっかけをつくることができたら。今後はそういった少年院・刑務所内でのプログラムを広げていきたいです。
――三宅さんは会社を立ち上げる前から人材育成や教育に興味があったそうですね。
少年院には入っていないですけど、私も学生時代はちょっとした憧れから不良になった時期がありました。ただ、たまたま家が裕福だったし、親からも愛されていたのでそんなには道を逸れずに済んで。それって当たり前ではなくて、超ラッキーなことだと思うんですよ。
刑務所には家庭なんてない人とか、問題のある施設で育ったとか、教育が受けられる環境にない人たちがたくさんいるんですね。平仮名や漢字が書けない、読めない人もいて。私たちが当たり前にしてきたことをベースに、元受刑者の人たちもまずはそういう場に立てたらいいなって思いですね。
――教育を広げることで女性の応募も増えるかもしれないですし、社会的にもまた新たな動きが生まれるかもしれないですね。
そうですね。私は早稲田大学を卒業して一部上場企業に就職して、その時点でなんでもできるって勘違いして天狗になっていたんですよ(笑)。でも実際は仕事ができなくて抱え込んで鬱病になってしまい、そこから少しずつ生き方を学ぶようになったんです。人生は物事の考え方、捉え方次第だと思うので、まずは受刑者たちが変わっていけるための種まきをしていきたいと思っております。
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取材・文/釣本知子 撮影/惠原祐二