「ご飯」は子どもたちと繋がれる場所、
だから支援活動には欠かせない
12月10日新宿歌舞伎町のビル内にて、生活困窮世帯の子どもを中心に支援する団体CPAO(しーぱお)が主催した「ごはんとお医者さん〜出張医療相談会」。当日は、食事提供の始まった17時過ぎからひっきりなしに子どもたちが会場へと訪れていた。
22時を過ぎ、片付けに入ろうかという頃、3人の子どもたちが食事提供の会場を訪ねてきた。Eくん(16)とFちゃん(13)Gくん(16)だ。EくんとFちゃんは1日のうちに3度も会場へとやってきていた。聞くと仲間のGくんが腹を空かせているという。
このアウトリーチ活動を主催したCPAOの代表・徳丸ゆき子さんは『食事の提供や炊き出しは必須』だと話す。
「うちでは『まずは、ごはん』を活動ポリシーに掲げています。ごはんは子どもたちと繋がるツールなんです。炊き出しに来てくれた子たちが、何かあった時に私たちのことが頭に浮かび、SNSで助けを求めてくれる。困ったときに私たちを思い出してくれるような関係性を築きたいと思って活動しています。大切なのは、彼らの人生に大なり小なり関与すること。だから、ずっと関わり続ける覚悟が必要だと思っています」
他人に対して、何故、そこまで時間も労力もかけて支援し続けることができるのか――。記者の問いかけに徳丸さんは自らに問いかけるように、言葉を選びながら話した。
「そうですね……。私自身、学校に馴染めない子どもでしんどさを抱えて生きて来たし、シングルマザーとして一人親が子どもを育てるしんどさも味わってきました。だから、目の前にいるしんどい子どもに出会ってしまったら、関わらざるを得ないですよね。
でも、私自身、この活動をしていなければちゃんと子育てできていたかわからない、そんな気持ちもあります。救いながら救われているのかもしれません。大変でしんどいし、人間が嫌いにもなることもあるけれど、それを上回るほど嬉しいこともあるんです。困ったときに連絡してくれたり、関わった子が何とか自立できたり、活動に協力してくれるようになったり。そんな時にはこれまでの苦労が吹っ飛びますね」
徳丸さんから食事を受け取り笑顔をみせたGくん。会場の外で待つEくんとFちゃんは、二人してたわむれ合っていた。聞くと2か月前にトー横で出会い、現在“交際中”だという