なんとなく観て、なんとなく読んで、なんとなく面白い
――ベタな質問もすると、原作とドラマそれぞれで印象に残っている回ってありますか?
石原 これは非常に難しい質問です。……僕はよく言っているんですけど、記憶に残らないのが、『THE3名様』のいいところだから(笑)。
――予想外の答えでした(笑)。
石原 記憶に残らないから何度でも観られるし読める。なんとなく観て、なんとなく読んで、なんとなく面白い。そういう作品です(笑)。
佐藤 「そこを突いてくるか!」っていうまさに絶妙なさじ加減ですよね。だって、先生がおっしゃっていましたけど、話が面白くなりすぎたら消すんですよね?
石原 そう、印象に残っちゃうから(笑)。
佐藤 印象に残っちゃうから(笑)。でも、それが気張らずに読めるし、観られる理由ですよね。
石原 Twitterでも、「BGMとして最適なドラマだ」って言う人がいるくらいで。だから、「この回はよかったよね」というのがないんです。
佐藤 僕はそういう作品だからこそ、コロナ禍のタイミングで新作をやりたいと思ったんです。家から出られなくて、みんなモヤモヤしている。
そういうときに、リラックスして観ることができて、くすっと笑えて、しかも自分をちょっと肯定できる。そういう作品があると、すごくいいよなって。
石原 本当そうですよね。
佐藤 まさに最適なコンテンツじゃないかと思いました。しかし、先生の「記憶に残らないのが魅力だ」っていうのは名言ですね。
――この先もドラマシリーズは続けていくんでしょうか?
佐藤 まだまだ原作に面白いエピソードはたくさんあるので、やらせてもらえるならもちろんやりたいです。でも、今の内容から大きく変えることはないですね。これだけ長くやっていると、いろいろ考えちゃうんですよ。一度はファミレスの外に出てみようかとか、成長して子どもがいる設定はどうだとか。でも結局、この席の彼らじゃないとダメなんです。
石原 うんうん。
佐藤 だから、この原作があって、先生がいいよって言ってくださる限り、ずっとこの感じで続けていきたいですね。