NTT東日本もコオロギ食に参入。その狙いは?
コオロギ食を扱う企業はこの事業によって補助金や助成金をもらっていると非難する声も上がっているが、その噂について小澤氏は一笑する。
「補助金は一銭もありません。政府に聞いていただければすぐにわかります。
直近だとNTT東日本さんが食用コオロギの養殖事業に参入を発表したりと、コオロギ食事業を展開する企業が増えていますが、補助金やイメージアップが目的ではないでしょう。
新規参入を考えている企業は何か産業構造を変えなきゃならないという思いがあるはず。そこで、次の成長産業への投資の中のひとつに、コオロギの養殖事業が入っているんだと思いますよ」
ネット上では昆虫食やコオロギ食の是非に関する論争が過熱している。
「極端な意見が多い印象はあります。20、30年後に昆虫食やコオロギが主食になるという話をしているわけではなく、豚肉も牛肉も変わらず食べていると思います。しかし、人口増加や食糧不足でそれらが高価になっていたら、他でタンパク質をとらなければならない。
成人男性の一日に必要なたんぱく質の推奨量は60g、女性は50gと言われています。きたるべき食糧危機に備えてできることを提案しているだけなのです」
普及に向けての今後の課題はどこにあるのか。
「弊社はお菓子とかおつまみとかの分野でこれまで製品づくりをしてきましたが、あくまで“食事”ではなく“間食”という位置づけ。ですので、今後はご飯とか味噌汁と一緒に並べるような、食卓に上がれるような製品づくりが必要になるだろうと考えています。
コオロギ食は山で言うとようやく2合目を登り始めた程度。これから次第では、食卓で市民権を得ることだってできると信じています」
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班