一時は主役機にプレミアム価格がつくものの…
人気グッズを大量に買い占め、品薄になったところで定価より高値で売って儲ける悪徳転売ヤー(「転売」と「バイヤー」を掛け合わせた造語)が悲鳴を上げている。
彼らが転売に失敗したのはテレビアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の「ガンプラ」だ。
同アニメは7年ぶりの新作TVアニメシリーズで、監督に『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の絵コンテを担当した小林寛、構成・脚本に『コードギアス反逆のルルーシュ』の原案・脚本を担当した大河内一楼、さらにはオープニングテーマ曲に人気音楽ユニットのYOASOBIといった豪華な面子が起用された意欲作。
TVアニメシリーズで初めて女性を主人公に据えており、昨年10月2日の第1期放映開始前から、ガンダムファンの間で大きな反響と期待が集まっていた。
当然、同作のガンプラも大人気で、入荷した瞬間に売り切れるホビーショップが続出。その品薄感からオークションサイトでは一時、アニメに登場する主役機「HGエアリアル」(定価1430円)のガンプラに8000円のプレミアム価格がつくこともあったという。
その背後にガンプラを大量に買い占め、高値転売を狙う転売ヤーの暗躍があったのは言うまでもない。
ところが、転売ヤーによってガンプラの取引価格がうなぎ上りに高騰していたのは昨年いっぱいまでで、第1期の佳境を迎えた年始からはウソのように落ち着きを見せたという。
それどころか、一部の転売ヤーにいたっては損切り覚悟の投げ売りに追い込まれているのだとか。
いったい、何が起きているのか? 転売歴ヤー歴10年の20代男性が言う。
「コロナ禍でガンプラブームが再燃したこともあって、販売サイトではさほど人気のないキャラでも定価の1.5倍もの値段がつくことも珍しくなかった。ガンプラは転売ヤーにとってかなりの利益が見込める有力商品なんです」(以下同)
ただし、『水星の魔女』は別だという。なぜか。