GOが出るまでに4本のパイロット版を要した、3Dの全面採用
――『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』で3D表現を全面的に取り入れるまでにどのような道のりがあったのでしょうか?
3D表現採用には東映アニメーション社内でも反対が多かったのですが、上層部に「やってごらん」と言ってくれる人たちが何人かいたことから、2014年の6月にパイロット版の制作が始まりました。
それから集英社のドラゴンボール室や鳥山先生に初めてお見せすることができたのが2016年頃です。計4本のパイロットフィルムを作って都度確認していただき、GOサインをいただけました。
――最終的にはどんなパイロット版が鳥山先生からOKをもらえたのでしょうか?
今作『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』で監督を務めた児玉徹郎さんが手がけたパイロット版です。「これをベースに開発してくれたら良い作品ができるかもしれませんね」といった内容の回答をいただけました。
――それまでのパイロット版と比べ、どういった点が鳥山先生に評価されたのですか?
「キャラクターの動き」です。手描きアニメーションの良い部分と、新しい表現ならではのリアリティあふれるアクションがうまく融合されていて、そこを先生にご評価いただきました。児玉さんは業界の中でも数少ない、3Dセルルックのアニメをずっと研究してこられた方なので、その経験が存分に発揮されたんだと思いますね。