琵琶湖の湖畔で目覚めた3日目の朝。
頭はすっかり旅モードに切り替わっていた
目的地は定めず、とにかく西へと進路をとった僕の“男一匹車中泊の旅・ゴーウエスト編”。
2日目(2023/1/14)は、夜もふけた頃にたどり着いた琵琶湖のほとり、湖岸緑地南三ツ谷公園の駐車場を寝ぐらとした。
ここはキャンプやバーベキューもできる無料の開放公園で、駐車場にはお仲間の車中泊組の車も何台か停まっていた。
寝床に就いた時点ではまだあまり寒くなかったが、やはり深夜になると車内の気温がかなり下がり、ゾクゾクしてきたので電気毛布のスイッチをオン。
おかげで以降は暖かく快適で、ぐっすり眠り気持ちの良い朝を迎えることができた。
上機嫌で湖畔を少し散歩したのち車に戻り、前日にコンビニで買っておいたインスタント味噌汁のカップに、一人用電気ケトルで沸かした熱いお湯を注ぐ。
琵琶湖を眺めながら飲む、朝の味噌汁の味は格別だった。
車中泊の旅はもう3回目で慣れたものだが、やはり出発して1〜2日目はペースがつかめず、どうしてもワチャワチャしてしまう。
でも3日目くらいからは頭がすっかり旅モードへと切り替わり、心に余裕が生まれてくるものだ。
昨夜、琵琶湖に着いたのは夜中だったので、湖岸道路を走っていても、間近にほの暗い湖の存在を感じはするものの、真っ暗で何も見えなかった。
朝になって再び湖岸道路を走りはじめると、右手に広がる湖の大きさに圧倒された。
琵琶湖に来るのは初めてではないが、以前は子供の頃だったので遠い記憶の彼方だ。
さすが日本一。こんなに広いのか。
湖岸の道を走っても走っても、ひたすら続く湖。
いくら眺めても飽きない、雄大な景色だった。
道の駅で買った、一袋100円の焼栗
琵琶湖の湖畔からほど近い道の駅草津に立ち寄り、家族へのお土産や自分用のお茶などを購入した。
駐車場に戻ろうと歩いていると、“焼きいも”ののぼりを立てた露店がある。
何気なくのぞくと、焼きいものほかにもいろいろ売っており、その中で「焼栗100円 SALE」「本日ならではのお買い得!!」というポップが目についた。
100円とはずいぶん安いなと思って、お店のおばちゃんに聞いてみると、「正月用に仕入れすぎてねえ。売れ残っちゃったから慌ててるの。100円じゃあ売っても売っても赤字だけど、売らないともっと大赤字!」と言って、陽気にケラケラと笑った。
赤字だと言いながら悲壮感がまったくないおばちゃんの言葉に、なんだかこっちまで愉快な気分になり、一袋買って車内で食べた。美味しい栗だった。
本当は「おばちゃん。じゃあ一袋おくれよ。なあに釣りはいらねえよ」と500円玉でも渡すのが良かったのかもしれないが、そんな寅さんのような粋な真似ができる性格じゃない。
普通に100円玉を渡して買った。
そして僕の車は近江大橋を渡り、大津を経て山科から京都へと入っていった。
今回の旅ではもっともっと西へ進みたかったので、京都観光をするつもりはない。
ただ、寄りたいお店が数軒あったので、京都の中心地である三条のコインパーキングに車を停めた。