刑期を終えて、出てくるのは60代半ば?

「私は、統一教会や、その被害者には興味がない。徹也のためにやっているだけです。刑期はおそらく25年、仮出所で、22年、23年で出てくると思います。私も息子が3人いてますけど、『徹也が出てきたときは頼むからな』と伝えています。みんな了承してくれています。徹也も昔は、ここに遊びに来たりしていてね。うちの子らも、みんな『てっちゃん』言うて、兄弟みたいなもんなんですよ。和歌山に先祖ゆかりの寺があってね、そこへみんなで行ったりしてましたよ」

現在、伯父は山上容疑者が刑期を終え、出所してきたときに備え、金銭の準備をしているという。

A子(山上容疑者の母親)は、84年に夫が自死した後に、夫の生命保険金の6千万円を統一教会に献金。さらに98年にも、A子の亡くなった父親から相続した土地や家を売り払って、さらに約4千万円を献金している。合計約1億円を統一教会に支払っていたが、伯父は、2005年から2014年にかけて、約5千万円を取り返したという。

「2004年にA子が韓国行って帰ってこんで、家賃も滞納して、子どもたちが食べ物もあらへんと困窮しているときに、私は統一教会に対し、返金を求めてFAXを何度も送ってたんです。でも統一教会からは、ろくに返事はこず、返事がきても『待ってくれ』ばっかりやった。でも、2005年に徹也が自殺未遂したときに、慌てて返金してきたんですわ。
今後、徹也が刑期を終えて、出てきたらお金がいる。そのために今、準備しているんです。統一教会にも『なんぼ出すねん』と。でも、統一教会は今、逃げ回っている」

伯父の目の前に置かれたファイルには、統一教会宛の手紙や、取材を受けた記者の連絡先や内容が細かくメモされており、山上容疑者に対する慈愛の念が伝わってくる。

〈安倍元首相襲撃事件から約半年〉叔父が語る山上徹也の今…「衣食住を与えてもらうて元気にしているようです」「英和辞典、参考書を差し入れた」統一教会は今、逃げ回っている」_3
取材に応じる伯父

山上容疑者に対する支援する声は社会にも広がっているようだ。今、伯父のもとには、全国から多くの物資などが届いているという。

「最近は落ち着きましたけれど、衣服とか、座布団、お菓子にクオカード、役立つ多くのものをいただいています。中には現金を送ってくださる人もいますね。本人は送り主に返してほしいとは言うてるみたいですが……」

山上容疑者が勾留されている拘置所にも多くの物資が届き、収容しきれないものは、伯父の家で保管しているという。