「増税」「金利上昇」のダブルパンチ

「新しい資本主義」「貯蓄から投資へ」「インボイス制度」…経済ジャーナリストが2022年の岸田政権をメッタ斬り?_02

――リスキリングやGXの予算は、看板政策である「新しい資本主義」の実現が目的とされています。

そもそも「新しい資本主義」とは何のことでしょうか? 私は具体的に答えられる人に会ったことがありません。政権の発足当初は「成長と分配の好循環」や「令和版所得倍増」を掲げていましたが、実質賃金は伸びず、分配は進んでいません。
その一方で持ち上がるのは、増税や社会保険料増額の議論ばかり。これじゃあ「所得倍増」どころか「所得倍減」ですよ!

――12月20日には、日銀が長期金利の振れ幅を0.25%から0.5%に変更し、衝撃が走りました。これは「金融緩和の縮小」と捉えてよいのでしょうか。日銀は「緩和ではない」としていますが。

たしかに今回は、長期金利の振れ幅を今までの0.25%から0.5%に広げただけなので、金融緩和を目指したわけではないでしょう。しかし、債券市場や海外勢から追い込まれて、やむなくやらざるを得なかったという点では、市場が「日銀が方向転換して緩和の縮小に動いた=日銀の敗北」と受け止めたのは、当然の結果だと思います。

ただこれは、2023年の景気にとっては、決して良いことではありません。「金利が上がる」というメッセージで、実際に住宅ローンの変動金利が上がったり、コロナ禍で借りたゼロゼロ融資(コロナ禍で売り上げが減った企業に実質無利子・無担保で行った融資)の返済で、中小零細企業が追い込まれていったりする可能性があるからです。

また、実は儲かっている企業でも春闘を前に「金利が上がるなら賃金引き上げは難しい」と経営者が思えば、賃上げが実現しないという状況も続きそうです。

その一方で、岸田政権は「増税」を前面に打ち出しています。「増税」と「金利高」は、経営者にとっても家計にとってもダブルパンチです。よって2023年の家計を一段と冷え込ませることになるでしょう。