つげ義春好きにはたまらないオマージュ

【漫画あり】お尻でタバコを吸いながら「もう僕はだめなのだ」――19歳の春、家賃2万円の四畳半から始まった「たま」結成への道_3

――いい方向の職権乱用ですね(笑)

でもね、そういう編集者だから、愛があるというか、ビジネスだけじゃないところがあって。

――幸運な出会いだったんですね。作品の中の随所に小ネタが散りばめられていますよね? つげ義春っぽいコマがあったりとか。

そこは原田さんが結構やってくれました。そもそも僕がつげ義春が好きなのを知って原田さんも好きになったらしくて。

――帯にもありましたけど、原田さんは「たま」の大ファンなんですもんね。「一日も欠かさず、たまのことを考え続けている」って書いてあります。

僕らでもそんなに考えてないのにね(笑)。中学生の時にファンになってそれからずっとみたいで。

――原田さんの画力もあって、すごくコミカルに「たま」結成に至るまでの経緯が描かれていますね。

もともと4人で一緒にバンドを組もうという気はまったくなくて、全員ソロでやっていたんですけど、ソロでアングラ色が強いことをやっているような人は当時あんまりいなかったから、ライブハウスで会って友達になって。

僕が「地下生活者の夜」というライブイベントを毎月一回、定例でやっていて、知り合いのアングラミュージシャンが20人くらいいたんです。基本みんな弾き語りで。でもだんだんマンネリ化してきちゃうんで「じゃあ一回バンドごっこをやってみよう」ってやってみたら、結構評判がよかったんで、そのまま続いていったんですね。