職権濫用で好きな漫画の担当編集に…

【漫画あり】お尻でタバコを吸いながら「もう僕はだめなのだ」――19歳の春、家賃2万円の四畳半から始まった「たま」結成への道_2

――石川さんが原作を出版されたのは2004年とのことですが、それが今になって漫画化されたのはなぜだったのでしょうか。

原田(高夕己)さんとは別に、一度漫画化の話が持ち上がったんです。でもそのためのクラウドファンディングが成り立たなくて。それがうまくいかなかったという話を原田さんが知って「僕も実は漫画にしたかったんです。自分のTwitterで描いていくという方向でやってもいいですか?」って連絡をくれて。

それでTwitterに漫画を上げてたらそれを漫画家の小骨トモさんが見て、小骨さんは「たま」ファンで原田さんともお知り合いだったんで、双葉社の編集者・平田さん(webアクション編集部)を紹介してくれて、みたいな感じだったんです

――なるほど。うまくいかなかったクラウドファンディングがあったことでつながっていった話だったんですね。

そうですね。

――原田さんが連載を開始してからは、毎回石川さんと原田さんとの間でやり取りをしながら進めていったんですか?

そうです。ドキュメントなので、間違いがあると元メンバーからクレームがくる場合もあるから(笑)。
そこは思い出せる限り思い出したり、資料を色々漁って。

――平田さん(『取材に同席した「たま」という船に乗っていた』担当編集)も「たま」ファンなんですか?

平田さん もうドンピシャです。「しおしお」(1989年)の頃からで。今回の漫画のことは(漫画家の)小骨トモさんに教わってTwitterで7話目か8話目から読んでいて、毎月の更新をすごく楽しみにしていたんです。「1か月長いな、早く続きが読みたいな」思っていて、「うちで連載してもらえば早く読めるな」って(笑)

――それで声をかけたと。すごい!

平田さん 原田さんが「こういうのってTwitterでバズってないとダメって聞いたんですけど大丈夫ですか?」って心配してて(笑)。それが一昨年(2020年)で、そこからはとんとん拍子でしたね。
とにかく自分が続きを早く読みたかったという。