街の風景を変えた「聖地巡礼」民が
地元にもたらした「経済効果」
聖地巡礼を行うのは熱狂的なドラマファンだけではない。
こちらは世田谷代田駅西口でスマホを構えていた20代前半の男性の話だ。
「自分はそんなに熱心なファンではないですけど、大学にいくと必ず『昨日見た?』と『silent』の話になるし、インスタを見ると、みんな『行ってきたよ』と写真を上げている。たまたま近くに住んでいるし、話題になるから来てみました」と、特にファンではなくとも「なんだか流行ってるから」と同駅を訪れる若者も少なくない様子だ。
同駅の駅員はこう話す
「さすがに人数は数え切れないですけど、ドラマの影響で乗降者数はハッキリと増えてます。みなさんロケ地については調べつくして来ているようで、『あのシーンはどこ?』などと聞かれるので、なかなか仕事が手につきません」
また、近所のカフェの店員が「ドラマ放送前の8月、9月に比べて売り上げが1.5倍くらいになっていて、平日でもお客さんが結構きてくれる。店としては嬉しい限りです」と言えば、近隣の別の店でも「売り上げは放送前に比べて3割増し」と聖地巡礼による“経済効果”を強調する。
世田谷代田の地に居を構えて30年という、60代の住民男性がいう。
「ここは昔から住宅街で分譲の戸建てが多く、賃貸マンションなども少ない。そのため、ずっと住んでいる地元の人が多く、お店も少ないから、いつも見かけるのは健康のために散歩をする老夫婦や、犬の散歩やジョギングするご近所さんばかり。それが、ドラマが始まって以来、若い子たちがたくさん来て、街のささいな場所の写真を撮っていく。ずっと住んでいた街の光景も変わって、とても面白いなと毎日思っているんです」
街の風景までをも変えてしまった「silent」の熱狂。22日に迎える最終回では、紬や想、湊斗や奈々ら登場人物の「これから」にも注目だ――。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班