「今後ともよろしくお願いいたします」“再出発”への応援を求めるも…
会見は一度は辞意を公言した田久保市長が進退を明確にする場として、市役所が閉庁した後の夜8時に伊東港のそばの施設で開かれた。
冒頭、「私の経歴の一部につきまして大きな混乱を招いてしまったことにつきまして、この場をお借りして深く心からお詫びを申し上げたい」と言い、7月に入ってから何度も繰り返し見せた長くて深いお辞儀をした。その後、田久保市長は席に着くと10分以上にわたり話し続けた。
「私としましては、今後、市民との大きなお約束、わたくしの公約でもあります新図書館建設計画の中止、そして伊豆高原メガソーラー計画の白紙撤回という、私に与えられた使命を私の全身全霊を傾けて実現してまいりたい……」
選挙で当選した自分には“使命”があると弁舌をふるった最後に、田久保市長は「本当に申し訳ございませんでした。そして、今後ともよろしくお願いいたします」と発言。“再出発”への応援を求め始めた。
これを聞いて記者からは、質疑の初っ端から「進退について話すというので来たが、辞職はしないという会見なんですか?」との質問が出され、田久保市長は「はい、そのように理解していただいて結構でございます」と即答した。
行政トップが去就の意志を覆す事態の重大さにそぐわない軽い返事に、記者からは“そんなことでいいのか”と婉曲に諭すような質問が続いた。田久保市長は、
「私も1度辞職をして市民に信を問い直すということが最善の道であろうということで会見を開かせていただいたのはその通りです。ですが、目まぐるしく状況が変化し、その中にあっても市民の皆様から『このままここで終わって元に戻ってしまうのか』というお声を多くいただくようになりました。
私としても現状や百条委員会の進行もそうですが、刑事告発のこと、色々なことを受け止め、本日このようなご報告をさせていただく次第になりました」と具体性のない説明を重ねた。