“戦友”たちにかけられた言葉
――準決勝まで勝ち進んで、ネタを2本披露した上で負けると、翌年、その2本は使いにくくなってしまうとよく聞きます。
きん そうなんですよ。毎年、あそこで戦えるレベルのネタを2本そろえるというのは本当に大変なんで。
原田 決勝で2本目のネタが終わったとき、ニッポンの社長とロングコートダディーが近寄ってきてくれて「ようやった」みたいな声をかけてくれたんです。それが、あの日、いちばん嬉しかったことかもしれませんね。
劇場でともに戦ってきた仲間なんで。(2位通過の)コットンも結果発表まだやのに「優勝ですよ、兄さん」みたいな。あいつら、めっちゃ優しいんで。
きん でも、あれで俺らがコットンに負けとったら、えぐいな。その気にさせるだけさせといて。
原田 ほんまや。こわっ。あいつら、自分たちをよく見せるの、うまいからな。
——大会後の会見では、これまでは劇場にお客さんを呼べていなかったので、今回の優勝をきっかけに何とか集客に貢献できるようになりたいと話していましたが。
きん 呼べてなかったんです。周りがすごくて。
原田 ニッポンの社長、ロングコートダディ、マユリカあたりが劇場の看板なんで。
きん 滝音も人気がある。僕らは彼らと同じグループですみたいな顔をして劇場に出入りしてますけど、僕らは客を呼べていないんですよ。
――それはなぜわかるのですか。
きん 単独(ライブ)の売れたチケットの枚数が張り出されるんです。それで如実に表れる。僕らは本当にかわいらしい数字。
原田 クリンとした数字。
きん ああ、集客弱いんやな、と。