ポルトガル人指揮官も守田をベタ褒め
こうした意見は、ポルトガルのメディアや識者、ファンに通じるものだ。そして中には、「守田はよくやっている。でも昨季の中盤と比べると、今季のスポルティングは見劣りする」という意見もあったりする。共にポルトガル代表の6番と8番の穴は、当然ながら、簡単に埋まるものではない。
それでも守田がリスボンの名門で、刺激に満ちた充実の日々を送っているのは確かだ。国内にはベンフィカとポルト、それにブラガという同レベルのチームが存在し、チャンピオンズリーグではイングランド(トッテナム)やドイツ(鎌田大地と長谷部誠が所属するフランクルト)、フランス(マルセイユ)のクラブと鎬を削っている。間違いなく成長の余地は大いに残されており、残り2カ月を切ったとはいえ、彼がカタールW杯が始まるまでに進歩を遂げれば、それは日本代表にも還元されるはずだ。
「そのためには、多くの日本人選手が悩まされてきたコミュニケーションを、積極的に取ることが大事だろうね。特にスポルティングは団結力を重視するチームだから」とパイバ記者は続けた。
でも個人的に、その点についてはあまり心配しなくていいような気がしている。試合では仲間と話している姿をよく見るし、アモリム監督は「守田は常に仲間に敬意を払い、一日に1000回も謝ったりするんだ」と懸命に適応しようとする彼を満面の笑顔で称えていた。
11月下旬に開幕するカタールW杯では、今よりももっと有能な“中盤のボス”が観られるような予感がしている。
取材・文/井川洋一