「隣にいるやつに負けたくない」
尼崎で鍛えられた“堂安律らしさ”

W杯でも“堂安律らしさ”を失わず、恐れず突き進みますよ。失うものは何もないし、もうやるしかないですから。生き生きしている姿を見せたいし、「俺を見ろ!」というようなプレーで堂々と世界に自分の力を見せてきます。

“堂安律らしさ”とは何かといえば、“気持ち”じゃないですかね。
「プロサッカー選手がそんな単純な言葉を使うな」って思う人もいるかもしれないけど、ここまで来るともう根性ですから。尼崎市出身なので、根性だけは鍛えられてますからね(笑)。

ほかの人よりもクオリティがずば抜けて高かったとか、小学生の頃から思ったことは本当になくて。周りの人は「昔からすごかった」って言ってくれますけど、自分としてはそういう認識でプレーしたことは一度もないです。
ただただ、「隣にいるやつに負けたくない」という気持ちでボールを蹴っていただけ。今も同じ気持ちでいます。

W杯の目標はベスト8じゃなくて、優勝しかないです。そもそも負けると思って大会に臨まないので。
「すごくバカなこと言っているな」と言う人も多いと思いますけど、それを応援してくれるサポーターが日本にはいると思うので、ベスト8と言わず、優勝を目指していいんじゃないかなと思います。

初戦で戦うドイツ代表には同僚のクリスティアン・ギュンターとマティアス・ギンター、PSVでチームメイトだったマリオ・ゲッツェがいます。今まで切磋琢磨してきた仲間たちとこの大舞台で戦えるなんて不思議な縁を感じるし、込みあげてくる感情があるかもしれないですね。

僕は「夢は叶う」と思って生きてきました。今までいろんな夢を口に出して笑われることも多かったけど、ここまで来ました。そして今あらためて、夢は叶うと信じているし、夢を叶えることができる人間だと信じています。

僕だけじゃなく、ちっちゃいころから「W杯に出る」と言って、おそらくバカにされてきた人たちがバカみたいに夢を見続け、ついにたどり着いたこの大舞台で夢を見ないでどうするんだと思います。
みなさんもその夢に一緒に乗って、僕たちの背中を押してほしいです。

写真/Getty Images