「社会に出たくない。ここで生きていく方がマシ」

渋谷で起きたこの事件は現在取り調べ中のため、詳細は明らかになっていない。

ただ、事件の一報を聞いて、近年似たような事件が起きたのを思い出した人は、1人2人ではないだろう。

2018年、22歳の男性が「無期懲役になりたい」という理由で東海道新幹線の車中で3名に襲い掛かって1名を殺害、2021年には「死刑になりたい」という理由で東京の京王線で24歳の男性が乗客を次々と切りつけてから放火した。

なぜ、若者たちは「刑務所に入りたい」「死刑になりたい」と言って事件を起こすのだろう。

実は、刑務所や少年院の中で収容された人たちに話を聞くと、「社会に出たくない。ここで生きていく方がマシ」と語る人が少なくないのだ。

こうした事件が起こると、ネットでは「死にたければ1人で死ね」とか「さっさと死刑にしろ」といった意見が飛び交う。ただし、加害者たちがなぜそのような考えに至って凶行に及んだのかについて考えることも必要だろう。