変化球なアリュールがおしゃれ「セグラ 2014」
A 同じシャトーから、シャトー・ローザン・セグラの弟分です! こちらも同様に長期熟成が行われています。
Z テイスティングノートで「甘いタバコ」とあるように、スモーキーですね! これはボトルを開けてから、飲んでいるうちに時間が経つと印象が変化しそうなワイン。
I タバコの香りと言っても燻したような香りでエレガント。マニッシュな香水でこういうアクセントは使われるし、複雑な香りで楽しませるところが、さすがシャネルだなと思います!
Z 五十嵐さんはワインを飲むなら、どんなシチュエーションがお好きですか?
I できることならオペラとかを観に行って、幕間の時間に劇場内のバーで立って飲みたい!
A なんておしゃれな!! でも今はご時世的にまだ難しそうですよね。
I 観劇って誰にでも手軽な非日常体験だと思う。その間に、余韻に浸りながら立ってワインを飲むのがベスト。オペラはヨーロッパとかだとカジュアルな席もあって、話も結構世俗的だし、単なる高尚な存在、というわけでもないんですよね。そういう非日常が楽しめる普通の日常が早く戻ってきて欲しい!
華やかでリッチなメルロー「シャトー・カノン 2011」
Z 1996年にシャネル社の傘化になったシャトー・カノンはシャトー ローザン セグラと同じくボルドーにあるワイナリーですが、ジロンド川を挟んで対岸の位置関係。サンテミリオン村に接する畑で主にメルローが栽培されています!ここで作られる赤ワインはメルローを中心にカベルネ・フランをブレンドしているのが特徴なんだそう。
A 今回登場した他のワイナリー然り、シャネル社が入手後にぶどう畑の再構成や館の修復が行われ、遺産を保存しながらも見事シャトーが息を吹き返すのに成功。さすがですよね! この赤ワインは2011年のヴィンテージ。
I 重さがちょうどいい具合だなと思いました。どっしりしているけど華やかさもあるし。私、『サイドウェイ』という映画がすごく好きで、印象的なシーンがあってね。
Z 友人同士の中年男性二人がカリフォルニアのナパにワインテイスティングの旅に出るストーリー、大ヒットしてワインブームを巻き起こしましたよね!
I そうそう。作品内でヒロインの女性がワインに惹かれる理由を語るところで「ワインというのは人と似ていて、日ごとに熟成し、ピークを迎える日まで複雑になっていく。そしてピークを境に、ワインはゆっくり坂を下り始める。そんな味わいも捨てがたいわ」というセリフがあるんですよ。20代、30代の時は意味するところがわからなかったセリフだなって思う。この赤は今がちょうど飲み頃ですけど、ワインの世界は奥深くて面白い。
A なんかわかるなー! 私もそろそろそういう時期が来たような。
I なんで! これからがピークじゃない! でもね、あのセリフのシーンがあるだけで観る価値がある映画だと思うのでよかったら是非。
飲みやすさ抜群のヴィンテージ「クロワ・カノン 2017」
A 同じくシャトー・カノンから、セカンドワインのクロワ・カノン。長期熟成であることは同じで、滑らかな風味と爽やかな果実味がいいバランスです 。
I さらっと素直な感じが飲みやすく、おいしい!年を重ねてメルローの素直さの良さがわかった気がする。昔は考えさせるような小難しい映画がいいよねとか言っていたけど、今は『トップガン マーヴェリック』に夢中。この頃はストレートに分かりやすいものに心が傾いてます。観る前はあまり期待していなかったんだけど、「トム・クルーズが好き」ってみんなに言いたい(笑)。
Z つまりそれは、“メルローはトム・クルーズである”ということでしょうか!? 私も『トップガン マーヴェリック』を楽しみましたけど、そんな裏読みはできていなかったです(笑)。そこに到達するには、まだまだ修行だな〜!
I そういうこと! スッと心に入ってくるものの良さがわかるように、何周もしてやっと達しました。
〜今回の「ベストうち飲み賞」を発表します!〜
A 今日はゴージャスな味わいのワインをいただき、心まで満たされましたね! シャネル社のワインはいかがでしたか?
Z 私はどちらかというと普段は泡や白を飲むことが多いので、正当な赤ワインのおいしさを改めて教えてもらいました。「シャトー ローザン セグラ」はしっかりとした味わいの中にチェリーやチョコレートのニュアンスがおいしくて、語らいながら飲みたい感じです。
I 「クロワ・カノン」はセカンドワインといいながらもすごくレベルが高かった。食中酒としても最適だなと思います。私は赤ワインがすごく好きだから、みんなにもっと飲んでほしい!
A 皆さんも特別なタイミングには、ぜひシャネル社が手がけるとびきりのワインを楽しみましょう!
ピーロート・ジャパン
https://www.pieroth.jp/
ロブマイヤー・サロン
http://www.lobmeyr-salon.ecnet.jp/
リビングトークデコール
https://livingtalk-decor.com/
photography:Ayumu Yoshida styling:Mayu Yauchi text:Momoko Yokomizo
【うち飲み向上委員会メンバー】
SPUR.JP編集長IGARASHI
『SPUR』/『SPUR.JP』 統括編集長。お酒の原風景は「世界の料理ショー」。グラハム・カー氏のように楽しく軽やかに飲みたいと思っている。好きな酒類は赤ワイン→ビール→お湯割りの焼酎。
ライターYOKOMIZO
おいしいお酒とごはんのためなら、高い海外輸送費も厭わず即ポチ。苦手な家事は休日に大好物の泡を飲みながらやっつけます。最近は海外の料理番組を観て、妄想トラベル。
エディターAKIYAMA
お酒はもっぱら外でハシゴ酒だったのが、ここ1年でうち飲みの魅力に開眼! おいしいお酒を飲みながら、ほろ酔い気分で愛猫と遊ぶのが至福の時間。