頑張った自分へのご褒美や大切な人のお祝いには、記憶に残るスペシャルなワインを開けたい。今回のうち飲み向上委員会では、あのシャネル社が所有するワイナリーのワインにフィーチャー! 格式高いメゾンにふさわしいクオリティを実現したワインは、とびきりのひとときを約束。ワイナリーのあるフランスには幾度となくコレクションや出張で訪れ、ワイン好きでもあるSPUR.JP編集長のIGARASHIとお届けします!
シャネルが所有するワイナリーの極上ワインに舌鼓!
エディターAKIYAMA(以下A) シャネル社がワイナリーを所有しているという情報をキャッチしまして、それはラグジュアリーなワインに違いないとリサーチしていたところ、SPUR編集部においしさを知る人がいたんです!
SPUR.JP編集長IGARASHI(以下I) 今日初めて試飲するワインもあるので、とても楽しみにしていました。しばらくフランスに行けていないので、旅気分にも浸れたら嬉しい!
ライターYOKOMIZO(以下Z)いつにも増して、優雅な酔い心地になること間違いなし。最後には「ベストうち飲み賞」も発表しますよー!
南仏の夏といえばロゼ!「ドメーヌ・ドゥ・リル ロゼ 2020」
Z シャネル社はフランスで現在4つのワイナリーを所有していまして、そのうちの3つのシャトーはボルドーにあります。今回はボルドーにある2つのシャトーと、南仏・地中海に浮かぶポルクロール島にあるドメーヌのワインをご紹介します! まずはドメーヌ・ドゥ・リルのロゼからどうぞ。
A は〜!やっぱりロゼって華やかでアガる味ですね♡
Z ドメーヌ・ドゥ・リルは2019年からシャネル社傘下となって、4つのワイナリーの中では一番新しい。海が美しい自然豊かな島で、夏場はまさに地上の楽園なんだそう。
I 夏にぴったりの、キレがいい軽やかな味わい。フランス人たちが夏を過ごす南仏のバカンスでは、爽やかで飲みやすいロゼが欠かせない。『南仏プロヴァンスの12か月』という本が大好きで、著者のピーター・メイルが住んでいたエクサンプロヴァンスという小さな町に、大学生の時に一週間ホームステイしたんですよ。あの世界に完全に陶酔してしまって。すごく楽しかったですね。夏のプロヴァンスって本当に天国みたいだから。
Z ロンドンの家を引き払い、南仏に移り住んだ元広告マンがつづるエッセイですよね。私はまだ憧れのままなので、とりあえず今夏はこのロゼを飲んでイメトレから始めます!
島の魅力を詰め込んだミネラル感「ドメーヌ・ドゥ・リル ブラン 2021」
A この白ワインはロゼと同じドメーヌから今秋に発売予定。ひと足先にテイスティングできるチャンスをいただきましたよ!
I 太陽の光が降り注ぎ海風が渡る、島ならではのテロワールを表す塩味が特徴的ですね。滋味あふれる味わいで、ヒラメとか海の幸と合わせたい。
Z じんわりと少しコクのあるタイプだから秋から寒い季節になってもいいですね。味噌を使った日本食やコリアンフードとも合いそうな予感。
I こういう白ワインを飲むと南仏の風を思い出しますね。コロナ禍前の夏にもフランス出張があって、その時にロストバゲージしちゃったの。服が何もないから急遽ニースでとあるショップに入ったら、シャネルのメークアップ部門でディレクターをされていたドミニク・モンクルトワさんにお会いすることができて感激したなぁ。服が揃っていればそのショップへ出かけることもなかったわけだから、ロストバゲージもしてみるもんだなって! ワインをひとくち飲んだら、脳裏に当時の様子が鮮やかに蘇ってきました。
A お酒や食が、思い出を呼び覚ますきっかけになることってありますよね。それが南仏っていうのは憧れちゃう!
香り豊かな王道の赤ワイン「シャトー・ローザン・セグラ 2013」
Z シャトー・ローザン・セグラのぶどう畑があるボルドー地方マルゴー村は、上質な赤ワインを産することで有名。カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローからなるフルボディで、ヴィンテージです!
I 以前シャトー・ローザン・セグラのお披露目会があって、その時に初めて飲ませていただきました。やっぱりおいしいね! 香りがすごくいい。クラッシーな味わいで、渋みも好きです。
A 五十嵐さんは赤ワインがお好きと聞きましたが、どういったタイプのものが好みなんですか?
I 私、本当にドスンと重い赤ワインが好きで、飲んだ後にちょっとヴァンパイアのような口元に染まるくらいの(笑)。
A ヴァンパイア(笑)。……ということは、この赤はドンピシャですね!
Z シャトー・ローザン・セグラは1994年にシャネル社が初めて入手したワイナリー。元々格付けでは1級に最も近いスーパーセカンドと言われていた名門ですが、シャネル社がオーナーになってからは有機栽培を中心にするなど、さらにその品質を高めたと評判。メゾンがワイナリーを持つことは珍しいのでしょうか?
I いや、結構メゾンは持っていますね。やっぱりファッションから始まり最終的にライフスタイルへ拡張していくので、ワイナリーを所有することで文化的にコミットしたいのではないかと推測。その国の自然を活かしたテロワールや職人技の補完という意味もあると思います。